2006年05月25日(木) 21時50分

＜損保ジャパン＞全店に業務停止命令　違法行為で金融庁処分（毎日新聞）

　金融庁は２５日、損害保険ジャパンに対し、損保商品の販売・募集を全店舗で２週間禁止する業務停止命令を出した。生命保険商品も全店で１カ月間販売を禁じ、新商品の開発や海外支店の新設を３カ月間禁止する。金融庁の検査で新たに不適切な保険金不払いが１０００件以上見つかり、保険契約水増しなどの違法行為が保険商品の広い範囲に及んでおり、異例の厳しい処分に踏み切った。
　違法行為は全国の支店や海外拠点に広がっており、金融庁は業務改善命令を出し、同社の内部管理体制に重大な不備があるとして、６月２６日までに経営陣の責任を明確にするよう指示した。金融庁は同社の平野浩志社長自らが、目標達成を迫るメールを営業現場に送って圧力を与えたことも指摘し、社長自身の責任明確化を求めた。
　平野社長は２５日夜会見し、「信頼を損ねる結果となったことを心からおわびします」と陳謝したが、進退について明言を避け、「進退を含めて業務改善計画で示したい」と述べるにとどまった。
　金融庁は昨年８月〜今年３月に同社に立ち入り検査を実施した。同社の自主調査で保険金の不払いが２万７２７３件（総額９億８９０万円）判明していたが、検査でこれ以外に１１２８件（１億２０５０万円）見つかり、自主調査の対象外だった自動車保険の搭乗者傷害保険でも２０６件（２５７０万円）の不払いが発覚した。【斉藤信宏】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000129-mai-bus_all