2006年05月24日(水) 03時36分

未公開株詐欺　知識ない高齢女性狙う　実値の６０倍、２００人超に販売（産経新聞）

　東京都内の投資ブローカーらによる未公開株の詐欺事件で、ブローカーらは女子大の卒業名簿を使い六十、七十代の高齢の女性らを狙って電話をかけ、上場予定のない未公開株を実際の六十倍にあたる一株三百万円で販売していたことが二十三日、警視庁捜査二課の調べで分かった。同課は詐欺の疑いで東京都千代田区の投資顧問会社「コスモインフォメーションジャパン」（登録取り消し）の社長、高木恒俊容疑者（６４）＝東京都台東区＝ら六人を逮捕、同社など約十カ所を家宅捜索した。
　高木容疑者らは平成十二年五月から約四年間、同様の手口で犯行を繰り返していたといい、株の知識のない高齢女性を狙い、約三十株を買わされて一億円以上を支払った女性もいた。被害は三十六都道府県で二百数十人、総額十数億円に上るとみられ、捜査二課で余罪を追及する。
　調べでは、高木容疑者らは十三年三月−十五年九月、上場予定のない港区のテレビショッピング会社の未公開株を「数カ月後には上場が決まっている。公開すれば倍以上になって絶対もうかる。一株三百万円だ」と偽って販売。神戸市の無職女性（６８）ら六人から計約二億円を詐取した疑い。
　コスモ社員の年収は三千万円にも上り、年に数回、国内外に社員旅行していたほか、韓国人クラブなどで遊んでいたという。
　高木容疑者は「事実と異なる部分がある」と容疑を否認、ほかの五人は認めている。
　高木容疑者らは、女性らに「世界のビル・ゲイツを目指す日本の若い経営者に夢を託してみませんか」などと記したあいさつ状も送付し、「なかなか上場しない」という苦情には「国際情勢が変わって時間がかかる」とうそを重ねていたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060524-00000020-san-soci