2006年05月24日(水) 00時00分

大手銀、最終益３兆１２１２億円　過去最高に （中日新聞）

　大手銀行６グループの２００６年３月期連結決算が２３日出そろった。最終利益の合計は前期の約４・３倍の３兆１２１２億円に達し、バブル期を上回り、過去最高を更新した。国内景気が回復し、個人、法人向けビジネスとも好調だったのに加え、景気回復で融資先企業の業績が持ち直し、不良債権の処理費用が大幅に減ったことが追い風となった。今後は、低い預金金利などに対する利用者の根強い不満に応えるため、巨額利益の還元が課題となりそうだ。

　この日決算発表した三井住友フィナンシャルグループは、最終利益が６８６８億円となり２３４２億円の赤字だった前期から一気に改善。りそなホールディングスは前期比４・８％増の３８３２億円で、いずれもグループ発足以来、最高となった。

　前日には、昨年１０月に２グループが経営統合した三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループなど４グループが決算発表し、いずれも過去最高の最終利益を計上。特に三菱ＵＦＪは融資先の業績回復に伴い、過去に積んだ貸倒引当金を利益に繰り戻し、１兆１８１７億円の最終黒字に転換、トヨタ自動車の１兆３０００億円超に迫った。

　公的資金については、三菱ＵＦＪが６月中、みずほフィナンシャルグループが７月中をめどに完済すると表明。これに対して三井住友は本年度中に、りそなは、３−４年後に完済のめどをたてる考えを示した。

　０７年３月期の業績は、三井住友と三菱ＵＦＪ、りそなが最終利益の減少を予想。三井住友は、取引先の中小企業に押しつけ販売をしていた金融派生商品について、金融庁から半年間の販売停止などの処分を受けたことが減益要因となり、営業強化の経費負担も増加する。三菱ＵＦＪとりそなは、貸倒引当金の戻り益が見込めず減益となる。

http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20060524/mng_____kei_____001.shtml