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2006年05月23日(火) 22時18分

ネット ドラマ 手軽に制作すぐ配信 新しい表現の場に読売新聞

 インターネットで配信される独自ドラマが増えている。映画ともテレビドラマともひと味違った内容で、表現の場を広げたい制作者や俳優たちからも注目を集めている。(旗本浩二)

短編 会話劇を中心に


GyaOで配信中の最新作「私の頭の中の消しゴム アナザーレター」

 無料配信の「GyaO」は、昨秋以降、5本の独自ドラマを配信している。1番人気は、1話30分の連続ドラマ「レンタル彼氏」(全10話)。出張ホストなど男を買いあさる女性を描く刺激的な物語だ。喜多嶋舞、大浦龍宇一らが出演、展開にもテンポがある。

 最新作「私の頭の中の消しゴム アナザーレター」は、日本の連続ドラマを基にした韓国映画「私の頭の中の消しゴム」を、改めて日本版に作り直した意欲的取り組みだ。

 他のサイトも、独自ドラマはほとんどが短編。脚本家を育成するシナリオ・センター(東京都港区)には、多くの制作会社から「ネットドラマ向けに脚本家を紹介して」と依頼があるが、10〜15分の作品ばかりだ。テレビよりも画面が小さいパソコンで見ている視聴者が大半で、長時間同じ映像作品を見ることが少ないという事情がある。

 ネットドラマ経験のある脚本家の小松與志子は「テーマ性まで短くしたら何にもならない」と強調。画面が小さい分「細かい表情や小道具は使わず、会話劇を中心に展開させる」とコツを語る。

長編 劇場公開を意識


Yahoo!動画で配信中の「海でのはなし。」

 短編化傾向とは逆の作品もある。「Yahoo!動画」で配信中の「海でのはなし。」は71分の長編。父親の不倫を疑う楓(宮崎あおい)が、思いを寄せる博士(西島秀俊)に悩みを打ち明ける物語。ロックバンドのスピッツが今年3月に発売したCDアルバムのCM制作の過程から生まれ、全編にアルバム収録曲が挿入されている。

 脚本・監督の大宮エリーは「ネットだから短編では悲しい。ネット発で大きなことをやりたかったので、劇場公開を意識して長編にした」と振り返る。実際に公開しようという動きも出ており、アルバムの売り上げにも貢献している。

 この作品の場合、企画から完成まで約2か月。大きな予算はかけられなくても、手軽に制作し、すぐに配信できるのが、ネットの強み。新人脚本家や若手俳優たちの貴重な表現の場ともなり、視聴率や興行成績に縛られるテレビドラマや映画と違った新しい表現ジャンルになりつつある。

 ただし、放送とは異なり、内容にほとんど規制がないため、青少年への影響などの問題を指摘する声もある。ネット向けのホラードラマが近く配信される脚本家の待田堂子は、「サイトが多く、確かに門戸は開かれているが、今や小学生でもパソコンを使う時代。内容面で逆に良識が問われる」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20060523et03.htm