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2006年05月23日(火) 06時40分

国選弁護報酬に新基準 難易度で加算100万円以上も朝日新聞

 刑事裁判の被告人に国費でつく「国選弁護人」に支払われる報酬の新基準が決まった。従来は裁判所の裁量次第で低報酬になりがちのため、弁護士から敬遠されていたが、事件の難易度や開廷時間で加算し、100万円以上にもなる報酬システムを初めて明確化。起訴前の容疑者にも国選弁護がつき、報酬が支払われる。司法改革の一環で今春誕生した「日本司法支援センター」が決めた。近く公表され、10月から適用の見通しだ。

 刑事裁判の約4分の3を占める国選弁護は、低報酬による質低下のため、憲法で定めた、資力に余裕のない被告人の弁護人依頼権が保障されていないとの批判が根強かった。このため、新報酬システムで熱心な弁護活動を支え、大幅な改善を図ることになった。

 新基準は、(1)必ず裁判官3人で審理する合議事件のうち、裁判員制度の対象になる「重大合議事件」(2)それ以外の合議事件(3)裁判官1人で審理する「単独事件」——に分類して「基礎報酬」を明示。例えば、(1)で公判前整理手続きが適用された場合は10万円となる。

 この基礎報酬をもとに、公判や整理手続きの回数に応じて増額。さらに、死亡した被害者が2人以上で整理手続きが適用された「重大案件」では5割増しにする。その結果、7日間終日開廷した場合、100万円を超えるケースも出る計算だ。

 その代わり、通常の事件で実質審理が1回の場合は7万円▽1回で判決まで終わる即決裁判の場合は5万円——など、報酬金額にメリハリをつけ、難しい事件を増額する「財源」を確保する。

 新たに始まる容疑者段階での国選弁護も弁護期間、接見回数や通う距離に応じて基準を定めた。

関係者によると、これまでの基準額は約8万5000円。一般的には否認事件でも十数万〜30万円程度が相場で、十分な増額保証はないという。「熱心に弁護活動に取り組めば取り組むほど報われない」といった声が絶えなかった。

 04年に全国の地裁で刑事裁判が終わった被告人は8万1251人。国選弁護人がついた被告人は6万968人、私選弁護人がついたのは1万9843人だった。

http://www.asahi.com/national/update/0523/TKY200605220367.html