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2006年05月22日(月) 15時21分

無許可・無届けで事業次々拡大 「飛鳥会」など2法人朝日新聞

 大阪府警に業務上横領容疑で逮捕された小西邦彦容疑者(72)がともに理事長を務める財団法人「飛鳥会」と社会福祉法人「ともしび福祉会」が、大阪府や大阪市に必要な届け出をせずに事業を拡大した実態が、次第に明らかになってきた。賃貸マンション、公園の売店、喫茶店など、無届けの事業による年間収益は計約2000万円にのぼる。「福祉の増進」など、法人の本来の設立目的から逸脱した事業が続いた背景には、行政の監督態勢の甘さも指摘されている。

判明した小西容疑者側の無届け、無許可事業

 「実は万博記念公園で売店も経営しています」

 小西容疑者の逮捕後、大阪府の事情聴取に対し、飛鳥会幹部はあっさりと「無届け事業」の存在を認めた。府が10日から始めた同会の検査は、毎年提出される「法人調書」に基づいて進められたが、「記載のない事業ばかりで、報告書の体をなしていない」(府幹部)という。

 無届け事業はほかにも、公衆浴場2カ所に併設された賃貸マンション(大阪市東淀川区)、飛鳥人権文化センター内の喫茶店(同)、万博公園内の売店(吹田市)などが発覚。市開発公社から業務委託された西中島駐車場(大阪市淀川区)は、法人が実施する事業としては届け出ていたが、年間2億円を超す収益は一切、報告していなかった。

 飛鳥会の法人運営のずさんさも目立つ。財団の理事会を監視する評議員会を設置せず、住民向けの公益事業の決算もまとめていなかった、92年から大阪駅前ビル(大阪市北区)内で経営していたサウナは、府に事業実施は届け出ていたが、別途、公衆浴場法に基づいて必要な市の許可は受けていなかった。

 一方、老人福祉施設や保育園を経営する「ともしび福祉会」は、私的な財産や暴力団への資金提供を隠す目的に使われていた疑いが出ている。

 奈良市内の住宅2棟は一時、ともしび会が所有していたが、実際は小西容疑者や親族が自宅として利用。このうち1棟は府に一切申告せず、残る1棟は「法人の研修用施設」と申告していた。暴力団系企業の土地を担保に、京セラファイナンス(当時)から数十億円の融資を引き出した際にも、福祉会の名義が使われた。

 ただ、府、市の検査、監督の手ぬるさが、一連の不適正な運営を許した側面もある。府は飛鳥会が一度も駐車場の決算書を提出していなかったのに、行政指導も立ち入り検査も一切してこなかった。市に至っては、飛鳥会が府に提出する法人調書の作成に市職員が関与していた。

 両法人を監督する府法人指導課は「提出書類をうのみにし、チェックが『節穴』だったと言われても反論できない」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0522/OSK200605220013.html