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2006年05月22日(月) 00時00分

【嶺南】 カニなど販売、ネット店舗が急成長 参入5年で実店舗と肩並べる 「他店のホームページも参考にしてます」と話す田辺さん=敦賀市長沢のますよね通信販売部で 中日新聞

 カニといえば冬の味覚−。そんな常識を覆すのが、「ますよね」の名前でインターネット上でもカニなどを販売する敦賀市の増米商店(橘高裕幸社長)だ。ネット店舗は、参入から5年で実店舗と肩を並べるほどに急成長。夏場の乗り切り方と、社長以外は全員20代という若い社員の活気が好調のカギのようだ。  (大平樹)

 ネット通販は、通信販売部の責任者、田辺晃司さん(25)が2001年4月から始めた。田辺さんは当時、実店舗の販売アルバイトだった。「これからの時代、パソコンくらい使えた方がいい」という単純な理由で、知識もないままに四畳一間に1台のパソコンを備え、ネット上の仮想商店街最大手「楽天市場」に店を構えた。

 転機は楽天のプロ野球参入。04年11月に楽天市場全体で行われた参入記念セールでは、利益率を思い切って下げて「勝負をかけた」。商店街の知名度急上昇もあって、受注件数は前年同月の約5倍に。利用客の店舗評価などをもとに選ぶ「月間MVP」を、約1万店がひしめく食品分野で受賞した。

 「冬は注文のほぼすべてがカニだけど、夏は半分くらいになる」と話す。夏場でも半分を占めるカニは、独自の仕入れルートを駆使してロシアやカナダなどからも確保。「夏にカニを食べたい」という顧客のニーズに応える。

 それでも夏場の売り上げ落ち込みに危機感を覚え、社長以下全員で新商品の開発にあたった。白羽の矢が立ったのが焼きサバずしだ。コメは県内産コシヒカリ100%を使うなどのこだわりが支持を受け、夏場の注文の3割を占めるほどになった。

 「カニと言えば『ますよね』と言われるくらい、ブランドイメージを全国に浸透させたい」と意気込む田辺さんだが、ネット店では、福井梅の梅干しや小浜産の岩カキなども売り始め、地元色を強めている。「福井の良いところももっと売り込んでいきたい」と強調する。

 実店舗は市内の「日本海さかな街」に構える。同業者が集まる激戦区だが「ネットで見たことある店だ」と言って同店で買う人もおり、相乗効果が出ているという。来月8日にはさかな街隣に、カニや地魚を使ったレストラン「かに喰(くい)亭 ますよね」をオープンさせ、さらなる相乗効果を狙う。


http://www.chunichi.co.jp/00/fki/20060522/lcl_____fki_____012.shtml