2006年05月21日(日) 15時41分

佐賀市でニート・ひきこもり支援セミナー（朝日新聞）

　ニート・ひきこもり支援セミナーが２０日、佐賀市日の出１丁目の県青年会館で開かれた。「ひきこもり支援の先駆者」と呼ばれ、２０年以上前から訪問活動を続けているＮＰＯ「青少年自立援助センター」（東京）の工藤定次理事長が講演し、「子どもの状態を正しく知ることが、一番大事」と訴えた。

　講演のテーマは「ひきこもりから就労まで」。工藤理事長は「『ニート』や『引きこもり』は、状態を示す言葉でしかない」と指摘。
　名古屋市の引きこもり支援施設代表理事らが、逮捕監禁致死容疑で逮捕された事件に触れ、「わずかでも外に出られる子と、一歩も外に出られない子など、個々のケースで対処方法が異なるから、ひとくくりに考えてはいけない。それぞれの状態を理解した上で、適切な対処法を選択しなければ過ちにつながる」と話した。

　また、「企業や事業体が子どもを育てるという仕組みが日本社会にはあったが、バブル崩壊で雇用機会が減少したことなどから、その力もなくなった。『根性がない』『甘えているだけ』などと、本人や親ばかりを責めることはない」と語りかけた。
　同センターとセミナーを共催した武雄市のＮＰＯ「スチューデント・サポート・フェイス」の谷口仁史代表が県内の事例を報告したほか、個別相談会も行われた。

http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000000605210001