2006年05月21日(日) 00時00分

振り込め詐欺“研修会”で手口学ぶ 「指南グループ存在」 （中日新聞）

　有料サイトの利用料名目で金をだまし取る振り込め詐欺事件で、愛知県警捜査二課と中川署などに逮捕された男が「詐欺の研修に行き、やり方を覚えた」などと供述していることが分かった。“研修会”を開いた指南役のグループから、一度だまされた人の個人情報なども教えてもらい犯行に及んだらしい。県警はこうした研修会で手口が伝授され、被害を拡大させているとみている。

　調べでは、同課などが今月１７日、詐欺容疑で逮捕した東京都台東区、無職笠原荘一容疑者（２９）は昨年、知人が入っていた振り込め詐欺グループに接触。犯行の拠点だった都内のマンションの一室で、債権回収業者を偽って有料サイトの利用者を言葉巧みにだます手口を学んだらしい。同容疑者は「何度かマンションに行き、詐欺のやり方を実演してもらった」と話しているという。

　さらにこのグループから「おまえもやってみろ」と、今回の事件の被害者である愛知県犬山市の女性看護師（２７）の携帯電話番号など個人情報の提供を受けたという。

　女性看護師は昨年６月中旬、債権回収業者をかたる電話を受け、有料サイトの利用料名目で１３万円をだまし取られた。県警はその直後に笠原容疑者らが知人の住所不定、小林篤史容疑者（３０）ら３人と共謀し、再び女性に電話し、「まだ別の有料サイト２社分の未払いがある」とうそを言い、８０万円を自分たちの口座に振り込ませたとみている。

　この際、「早急に全額払わないと遅延損害金が増える」などと巧妙に信じ込ませていた。笠原容疑者は他の３人との間で、だまし取った額の７０％を受け取る約束を交わしていたという。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060521/mng_____sya_____004.shtml