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2006年05月20日(土) 00時00分

『鉄筋の量に目標を』 総研主導で建設 昨年10月27日に小嶋進容疑者が見たとされるメモのコピー。グランドステージ藤沢について、地震力を基準の4割にして入力したことを示す「X0.4Y0.4」と書かれている 東京新聞

 耐震強度偽装事件で、サンホテル奈良(奈良市)建設の打ち合わせに参加したコンサルタント会社総合経営研究所(総研)の四ケ所猛チーフコンサルタント(67)が、二〇〇四年十二月、内河健所長(72)の意向として「鉄筋などの使用量は目標を持って設計するように」と、木村建設子会社の平成設計に指示していたことが関係者の話で分かった。警視庁などの合同捜査本部は、ホテル建設に総研の意向が強く働いたとみて、四ケ所氏らから事情を聴き、内河所長らの詐欺事件への関与を慎重に捜査している。

 同ホテルをめぐっては、工事代金をだまし取ったとされる詐欺容疑で、木村建設社長木村盛好容疑者(74)らが逮捕された。

 関係者などによると、打ち合わせは〇四年十二月十三日、東京都千代田区の平成設計本社で開かれた。平成設計の社長や総研の四ケ所氏らが参加。設計方針や工事予定について検討した。

 四ケ所氏は、総研が手掛けたホテルの資料を示し、「『最近、鉄筋量、コンクリート量が目標の数字になっていない。多くなっている』と所長が言っている。きちんと構造を見るように」「平方メートル当たりの目標を持ち、設計に当たるように」などと指示したという。

 一方、奈良県内の構造設計事務所には同時期、サンホテル奈良の構造設計について見積もり依頼があった。事務所は同十七日に見積書を提出したが採用されず、結局、元一級建築士の姉歯秀次被告(48)が構造設計を担当。木村建設が昨年三月に着工し、同十一月五日に開業したが、偽装発覚で休業に追い込まれた。

 ホテルオーナー側は「総研は総合監修の立場から、あらゆる場面で常に関係者をリードしていた」として、総研などに工事代金の返還などを求めた損害賠償請求訴訟を起こした。総研はこの訴訟の答弁書で「耐震強度の偽装は、全く知らないところでなされた」としている。総研の代理人弁護士によると、四ケ所氏は〇四年十二月の打ち合わせに参加したが、別の件をアドバイスするためで、「本人はそういう(鉄筋量などに関する)話はしていないと言っている」と説明。内河氏も、四ケ所氏にそんな話はしていないとしている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060520/eve_____sya_____001.shtml