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2006年05月19日(金) 20時47分

「うっしし〜」牛丼業界は期待、スーパーは慎重 米牛肉輸入再開産経新聞

 米国産牛肉の輸入が7月にも再開される見通しとなったことに、牛丼チェーンを中心とする外食業界で期待が高まっている。一方でスーパーなど小売業の多くは「消費者の動向を見極めたい」(大手スーパー)として、安全性への懸念から取り扱い再開に慎重な姿勢を崩していない。

 牛丼チェーン大手の吉野家ディー・アンド・シーは「輸入再禁止は(危険部位の混入という)単純なミスが原因。輸入再開まで時間はかからない」とみて、牛丼販売再開を織り込んだ平成19年2月期の業績予想を4月に発表していた。

 昨年12月に米国産牛肉の輸入が再開された後、同社は2年ぶりの牛丼販売再開に向け牛肉の調達など準備を着々と進めてきた。ところが、今年1月の輸入再停止で状況は一変。2月中旬に予定した販売再開を泣く泣く断念した。

 禁輸措置の長期化で苦い思いを味わってきただけに、「じっと見守りたい」(広報担当)と慎重だが、販売再開の準備に余念がないようだ。業績予想では、販売再開によって1店舗当たりの来店客数は1日約百人増えるとそろばんを弾く。

 すでに中国産牛肉で牛丼販売を再開している松屋フーズも、「米国産牛肉(の味わい)は定評がある」(瓦葺利夫社長)としており、米国産牛肉の流通量や価格が見合えば使用する方針だ。

 これに対して、スーパー業界では「米国産牛肉に対する消費者の信頼は揺らいでいる」(大手スーパー)との見方が大勢。店頭に豪州産や国産牛肉が並ぶなど“脱米国産”が進んでおり「外食業界のような差し迫った状況にはない」という事情もあって、取り扱い再開には消極的だ。

 中堅・中小スーパーの共同仕入れ組織「シジシージャパン」(東京都新宿区)では、前回の解禁で米国産牛肉を輸入した直後に危険部位混入問題が発生。通関前の牛肉処分に追い込まれており、今回は「慎重にならざるを得ない」という。

 外食業界でも、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーは「消費者に安全性を保証できない」として、輸入再開後も使用しない姿勢。消費者の信頼回復にはまだ時間がかかりそうだ。

(05/19 20:47)

http://www.sankei.co.jp/news/060519/kei106.htm