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2006年05月19日(金) 21時02分

新規参入4銀行、営業基盤の確立にめど産経新聞

  新規参入4銀行の平成18年3月期決算が19日、出そろった。4行中3行が最終黒字を計上するなど、各行は営業基盤の確立にめどをつけ、事業領域拡大に向けた積極的な新サービス展開に照準を合わせ始めた。

 ただ、不良債権処理を終えた大手銀行が個人向けサービスに力を入れるなか、ようやく築いた営業基盤が盤石とは言い切れないのも事実。新規参入銀行には、これから本当の試練が待ちかまえているといえそうだ。

 同日に決算を発表した三井住友銀行系のジャパンネット銀行は、保有していた国債の値下がりが影響して、前期の最終黒字から2700万円の最終赤字に転落。それでも売上高にあたる経常収益や口座数などは順調に拡大しており、「今期は黒字に復活できる」(藤森秀一社長)見通しだ。

 このほかセブン銀行は3期連続、ソニー銀行と独立系のイーバンク銀行は初めての最終黒字を達成。松尾泰一イーバンク銀社長が「規模の利益を追求できる状況になった」と自信をみせるように、規模拡大が利益増加に結びつきやすい環境が整った。

 このため、各行は事業拡大に向けた戦略の強化に乗り出している。

 預金で集めた資金を不動産ファンドなどに投資することで利益をあげてきたイーバンク銀は、昨年11月から扱い始めた投資信託の販売額が毎月15億円の規模に成長している。販売額の1−3%程度の手数料収入が得られるうえ、ネット販売のために余分なコストもかからないため、商品の選択肢を増やすことなどで販売拡大を目指す。

 ソニー銀は昨年12月にマネックス証券と提携。ソニー銀のホームページから、パスワードなどを入力せずにマネックスのページに移れるようにするなどサービスを強化した。ジャパンネット銀は今年度上期中にインターネット大手のヤフーから資本を受け入れ、顧客基盤の拡大を狙う。

 現金自動預払機(ATM)による決済サービスに注力してきたセブン銀行は、カードローン業務への進出を検討中。現預金として保有している約2500億円を運用に回し、収益の上積みを狙う。

 ただ、新規参入銀行の収益源である個人向け市場は競争が激化している。大手銀行などもこれらの銀行を「競争相手」と見据え、手数料の引き下げや預金金利の引き上げといったサービスの充実に目を向けだした。収益規模に勝る大手銀行が競争を仕掛けてくれば、新規参入銀行のサービスの魅力が色あせてみえる可能性もある。

 黒字転換を果たしたばかりの新規参入銀行は、ようやくスタートラインに立ったばかり。収益拡大を目指す新たな事業展開は、生き残りをかけた布石でもある。(小雲規生)

(05/19 21:02)

http://www.sankei.co.jp/news/060519/kei109.htm