2006年05月19日(金) 00時00分

木村容疑者ら　０４年に偽装認識か 平成設計、指摘受ける （中日新聞）

　耐震強度偽装事件で、詐欺容疑で社長の木村盛好容疑者（７４）らが逮捕された木村建設（熊本県八代市、破産）の子会社平成設計（東京都千代田区、破産）に対し２００４年１０月以降、東京都内や福岡県内の一級建築士が２度にわたって元一級建築士姉歯秀次被告（４８）のビジネスホテルでの構造計算の問題点を指摘していたことが１９日、警視庁などの合同捜査本部の調べで分かった。捜査本部は、木村容疑者らがかなり以前から偽装をある程度認識していた疑いがあるとみて調べている。

　調べなどによると、同年１０月、東京都内の一級建築士が、姉歯被告による静岡県湖西市のビジネスホテルの構造設計について平成設計から相談を受けた。この建築士は設計図を分析し、「鉄筋量が少ない、計算や図面が基準を満たしていない」などと指摘したファクスを平成設計に送ったという。同ホテルはその後、耐震強度が基準の５割強しかないことが判明、現在休業している。

　昨年８月下旬には、佐賀県伊万里市のビジネスホテルの構造計算をかつて断った福岡県の一級建築士が、姉歯被告の担当した構造計算書を計算し直した。この際、耐震強度に問題が見つかり、平成設計側に伝えたという。同ホテルの耐震強度は基準の８５％だった。

　これまでの調べでは、昨年１０月２７日、確認検査機関のイーホームズ（新宿区）からの指摘などを受け、ヒューザー（大田区、破産手続き中）社長の小嶋進容疑者（５２）が木村容疑者側に姉歯被告の偽装を連絡したことが分かっている。

　木村容疑者らは東京と福岡の一級建築士の指摘で姉歯被告の構造計算に不審点を感じていたとみられる。同容疑者はさらに小嶋容疑者からの連絡で危険性を確信した上で同１１月７日に奈良市のサンホテル奈良の工事代金約２億２５００万円を受け取った疑いがあると捜査本部はみている。

　捜査本部は１９日午前、木村容疑者ら木村建設幹部２人と、小嶋容疑者を送検した。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060519/eve_____sya_____007.shtml