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2006年05月18日(木) 00時00分

人類誕生に新説 分岐後、チンパンジーと交雑? 中日新聞

 【ニューヨーク=石川保典】人類とチンパンジーは、共通の祖先から分岐した後、“異種交雑”の末に最終的に誕生した−。人類の起源と進化にかかわる新しい学説を、米ハーバード大とマサチューセッツ工科大(MIT)の研究者が17日、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

 研究チームは、人類やチンパンジー、ゴリラなど類人猿の遺伝子(DNA)を計2000万個以上、ゲノム解析して比較。その結果、人類とチンパンジーで、DNAの塩基配列の違いが起きたのが、DNAによって約400万年も年代が異なることを突き止めた。

 そのうち最も新しいのは、現在から630万−540万年前。研究チームは、両者の祖先が約1000万年前にいったん枝分かれした後、約400万年後に「長期間の交雑が起きた可能性を示している」とハーバード大のデービッド・ライヒ助教授(遺伝子学)は指摘。性染色体であるX染色体が、両者で極めて似通っている点も、交雑の存在を裏付けているとする。

 ただ、研究チームに属さない同大のダニエル・リーバーマン教授(生物人類学)は「二足歩行をしていたはずの人類の祖先が、四足歩行のチンパンジーの祖先に魅力を感じたとは想像しにくい」と困惑。人類の誕生をめぐる論争に発展しそうだ。

 人類誕生の年代はこれまで、2001年にアフリカのチャドで発見された最古の猿人化石により、約700万年前と推定されている。新説のDNA解析によれば、それよりも遅く、540万年前以降となることになる。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060518/eve_____sya_____007.shtml