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2006年05月15日(月) 00時00分

北朝鮮から偽日本たばこ 韓国や台湾へ 海保が運搬船を確認 中日新聞

 日本製たばこの偽造品が北朝鮮から韓国や台湾に運ばれていることが、海上保安庁による外国漁船などへの立ち入り検査で分かった。北朝鮮出港の船舶で日本製たばこの偽造品が確認されたことが明らかになったのは初めて。日本への密輸目的ではないため押収はしていないが、海保は海外の関係当局と情報交換を始めた。

 偽造たばこをめぐっては、米国が「北朝鮮が現在、最も収益を上げる不法行為」と警戒。海保も、密造や密輸が難しくなった覚せい剤に代わる北朝鮮の新たな外貨獲得源とみている。

 海保が排他的経済水域(EEZ)を航行する外国漁船などに行う洋上立ち入り検査は、2001年末の鹿児島・奄美沖北朝鮮工作船事件後は、主に覚せい剤などの薬物の発見を狙っている。

 しかし海保によると、北朝鮮を出港したカンボジアや台湾、モンゴル籍船などで、2年前からたばこの偽造品を確認するようになった。日本製の偽造は「マイルドセブン」と「セブンスター」の2銘柄で、ほかに米製「マールボロ」や英製など計十数種に上っている。すべてパッケージを替えただけで同一種の草が成分の粗悪品だった。

 船員や偵察衛星の情報では、偽造たばこの運搬船は北朝鮮東海岸の元山(ウォンサン)や清津(チョンジン)、羅津(ラジン)などに入港後、偽造たばこを積み出港。台湾や韓国・釜山などの沖合で台湾や韓国のマフィアらが手配する船舶に洋上で積み替える「瀬取り」と呼ばれる方法で運んでいるとされる。

 1隻当たり数十万箱の偽たばこを積み、真正品の6割程度の販売価格から原材料費を差し引いた収益は、数千万円になると推計されている。

 日本に持ち込まないのは、定価制や自動販売機などの流通面から、偽たばこの販売が難しいためらしい。日本たばこ産業によると、「マイルドセブン」シリーズは昨年、台湾では台湾製を抑えて販売本数が初めてトップになり、韓国でも同5位以内の人気がある。

 積載量が最も多い「マールボロ」の偽造品は02−05年に米国で1300件摘発されている。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060515/mng_____sya_____008.shtml