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2006年05月14日(日) 00時00分

弁護士の53%が不満 警察の告訴への対応 中日新聞

 警察がストーカー被害の告訴を放置した埼玉県桶川市の女子大生刺殺事件などを契機に、警察庁が告訴への取り組み強化を通達した2000年以降も、弁護士の53%は告訴への警察対応が改善されていないと感じていることが13日、日弁連犯罪被害者支援委員会のアンケートで分かった。

 その理由は「やる気がない」が30%を超え、告訴が受理されない間に被害が継続、拡大したケースが報告された。抜本的な改善を求める意見も多く寄せられている。

 アンケートは昨年9−10月、告訴を扱うことが多い全国の弁護士を対象に実施され、321人が回答した。

 このうち「警察に告訴を受理してもらえず、対応に問題を感じたことがある」と答えたのは225人(70%)で、詐欺や横領・背任、恐喝・窃盗事件が多かった。回答者が関与した告訴の不受理件数は計202件。

 2000年以降の対応改善について「全く感じない」は30%、「あまり感じない」23%。「よく感じる」は3人(1%)だけで「少し感じる」も31人(10%)にとどまった。

 告訴を受理しない際の具体的対応は「コピーを預かるだけ」(33%)、「証拠をそろえて再提出するよう要求」(22%)が多く、回答者が関与した中には不受理の間に詐欺の被害が拡大したり、被害者が気力を失ったりしたケースがあった。

 こうした対応の「真の理由」は「やる気がない」(37%)のほか「多忙」(28%)「事件が困難な要素を含む」(26%)とみている。

 抜本的な改善策としては、不服を申し立てる第三者による審議会の設置を求める意見が73%に上った。

 ◆桶川の女子大生刺殺事件 埼玉県桶川市で1999年10月、女子大生の猪野詩織さん=当時(21)=が刺殺された事件。首謀者は1、二審とも無期懲役で、実行役らは実刑が確定。猪野さんと一時交際していた首謀者の弟は指名手配中に自殺した。事件後、ストーカー行為や嫌がらせを受け、告訴した猪野さんの調書を県警上尾署員が改ざんした上、告訴取り下げを要請、捜査を怠っていたことが発覚。県警本部長らが処分され、懲戒免職となった元署員3人は虚偽有印公文書作成罪などの有罪が確定した。両親が起こした民事訴訟で、さいたま地裁は捜査怠慢を認め、県に550万円の賠償を命じたが、事件との因果関係は否定。2審東京高裁判決も1審を支持した。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060514/mng_____sya_____002.shtml