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2006年05月14日(日) 21時14分

26日に「石綿」国賠集団提訴、大阪・泉南の8人朝日新聞

 国のアスベスト(石綿)対策が不十分だったため健康被害を受けたとして、大阪府南部の泉南地域にあった石綿関連工場の元従業員と近隣住民ら計8人が14日、国を相手に慰謝料などの国家賠償を求める全国初の集団訴訟の原告団を結成した。賠償請求額は1人当たり2000万〜3000万円、総額約2億2000万円で、26日に大阪地裁に提訴する。

 大阪じん肺アスベスト弁護団(団長・芝原明夫弁護士)が同府泉南市で開いた集会で明らかにした。弁護団は今後、2次提訴に向けて泉南地域を中心に被害者を募る。

 8人(故人3人)は石綿関連工場で8〜31年間勤務した元従業員やその遺族、工場周辺住民。生存している5人は、3月に申請が始まった石綿被害者救済法(石綿新法)の対象外の石綿肺などを患っている。

 集会には支援者ら計約70人も出席。弁護団が被告に企業を含めなかったことについて「多くが零細業者で廃業しており、責任追及が難しい」と説明したうえで、「国は70年前に泉南地域を調査し、被害の深刻さと対策の不十分さを把握していた。それを放置した責任を司法の場で追及したい」と話した。

 原告代表の一人、岡田陽子さん(49)は出生直後から12年間、石綿工場そばの社宅で暮らした。工場に13年勤めた父は95年に肺がんで死亡し、19年勤めた母(70)も自分と同じ石綿肺で苦しむ。「当時は家の窓から絶えず石綿が吹き込んでいた。表立って声を上げられない人のためにも、頑張って国に救済を訴えていきたい」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0514/OSK200605140030.html