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2006年05月14日(日) 09時47分

「マダイ」投資、配当金滞る…キュート社を刑事告訴へ読売新聞

 愛媛県愛南町の真珠養殖販売会社「キュート」の社長(63)が、マダイ養殖への投資話を主婦らに持ちかける手口で、少なくとも約200人以上から計5億円を集めながら、配当金を滞らせていることが分かった。

 社長は真珠養殖を巡る投資話でもトラブルになっている。マダイと真珠の投資事業に絡む契約者は26都道府県で計1200人以上、契約総額は15億円を超すとみられる。

 社長は所在不明で、一部の契約者は近く、社長を出資法違反容疑で刑事告訴する。

 宮城、愛媛両県などでは被害対策弁護団も結成され、一連の投資トラブルは巨額詐欺事件に発展する可能性が出てきた。

 関係者によると、社長は2001年9月〜02年4月にかけ、茨城県笠間市内で経営する真珠販売会社「クォリティー」や知人の健康食品販売会社を通じ、主婦らに直接会うなどして「知人が経営する愛媛県内のマダイ養殖場に投資すれば、販売利益で3か月後、元本の2倍になる」などと勧誘。契約者が家族や知人に次々と紹介する手法で、東京や大阪、埼玉など少なくとも10都府県の約200人以上と契約した。多くの場合、契約額は1人100万円で、総額5億円以上を集めた。

 契約者はマダイ養殖場に案内され、契約書には養殖場を経営する水産会社の社印が押されていたが、大半の契約者は利益配当を受けず、元本も戻らないという。

 02年1月の契約で4000万円を投資した埼玉県内の無職女性(64)は「養殖に使う運搬船の写真を見せられるなどして信用した。一部返金されたが、いまだに約3000万円が戻らない」と話す。

 社長はマダイ養殖への投資話で契約金を集めた後、02年3月、愛媛県内の真珠養殖会社の工場などを約2500万円で購入。2か月後に「キュート」を設立し、03年1月から「真珠のアクセサリーを買えば養殖に投資でき、1年半後に20万円の配当を付けて返金する」などと勧誘を始めた。社長らが元本を保証し、アクセサリーを1口100万円でローン契約させたが、配当や返金が滞るトラブルが続出している。

 一連のトラブルで、契約者から刑事告訴の依頼を受けている弁護士は「マダイへの投資で金を集めてから、真珠投資事業を展開しており、手口は計画的で悪質」と指摘する。

 一方、契約者と返金交渉をしてきた弁護士は、配当金を巡るトラブルがあったことを認め、「社長は『どうしても返金したい』と話しているが、めどは立っていない」と説明するが、社長との受任契約は3月下旬で切れたとしている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060514i102.htm?from=main1