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2006年05月13日(土) 18時29分

大阪府庁舎、ついに建て替えへ 財政難で過去4回先送り朝日新聞

 築80年の大阪府庁本館(大阪市中央区)が、ついに建て直される方向となった。新庁舎の建設話は過去4回、持ち上がったが、そのたびに、財政難のため先送りされてきた。しかし、今年1月の耐震調査で震度6強で倒壊の恐れがあると診断され、府は「もう先送りできない」(府幹部)と判断した。府議会も近く庁舎整備に関する特別委員会を設置。早ければ08年度の着工をめざす。

府庁新庁舎予定地

建て替えの方針が固まった大阪府庁本館。奥に大阪城を望む=大阪市中央区で、本社ヘリから

 1926(大正15)年に完成した府庁本館は、3年前の関東大震災を教訓に、当時としては最新の耐震・耐火構造を施し、大理石で内装した大阪を代表する近代建築。このため、府議会特別委は、新庁舎整備と合わせ、文化財として価値がある現本庁舎を耐震補強したうえで一部保存する方法も検討する。

 地上6階、地下1階の本館には知事執務室や府議会本会議場があり、職員約1750人が働く。かねてから施設の老朽化が指摘され、89年には、建築家の黒川紀章氏が45階建ての新庁舎を設計。総事業費は約1200億円とされた。しかし90年代の景気低迷による財政悪化で、ピーク時に約1455億円あった新庁舎建設基金が赤字の穴埋めに使われて払底。96年に建設先送りが決まった。

 その後、98〜04年にも3回にわたり、総事業費を半分に減らす「節約プラン」や、府有地を金融機関に信託して建設費を調達する「土地信託方式」などが検討されたが、府議会から「赤字財政からの脱却が先だ」などと反対され、先送りが続いてきた。

 今回、府が建設に踏み切る判断を固めたのは、1月に公表された耐震診断で、構造耐震指標(Is値)が0.15〜0.26と判明。震度6強程度の大地震で「倒壊、崩壊する危険性が高い」と指摘されたためだ。

 財政難は続いているが、景気回復を反映して、今年度予算の府税収入が前年度比3.8%増となるなど、財政が改善傾向にあることも追い風となった。また、手狭な本館に収まらない部門が周辺の民間ビル7カ所を借りて入居しており、年間約7億5000万円に上る賃料負担の解消も期待されている。

 整備方法は、民間企業に建設してもらい、府が費用を分割払いする「プライベート・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)方式」が有力。府はすでに、コンサルタント会社に対し、新たな行政棟や議会棟を本館南側の駐車場付近に建てた際の試算を依頼している。

 府幹部は「大地震で府庁が倒壊する事態は何とか避けたい。耐震補強でしのげれば良いが、周辺ビルの賃料も考えると、民間資本を活用して新庁舎を建てた方が結果的に安くつく」としている。

http://www.asahi.com/politics/update/0513/008.html