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2006年05月12日(金) 21時30分

ゆめタウン事件初公判朝日新聞

  今年1、2月に広島・山口両県内のショッピングセンター・ゆめタウンの店舗に時限発火装置などが置かれた事件で、現住建造物等放火未遂罪などの罪に問われた広島市佐伯区三筋の同市職員八島宏之被告(42)に対する初公判が11日開かれ、八島被告は起訴事実を全面的に認めた。検察側は冒頭陳述で、ゆめタウンを運営するイズミ(本社・広島市)の株価を下げることで被告が利益を得ようとしたと指摘したが、弁護側は動機部分について争う姿勢を見せた。

  起訴状によると、八島被告は1月20日、岩国市のゆめタウン南岩国の1階売り場にガソリン入りのペットボトルなどを用いた時限発火装置を仕掛けて破裂させ、2月18日には柳井市のゆめタウン柳井の陳列棚に睡眠薬を混入したカップラーメン6個を置いたとされる。八島被告は岩国の事件で現住建造物等放火未遂と威力業務妨害罪に、柳井の事件で業務妨害罪に問われた。

  検察側は冒頭陳述で、動機について「イズミ株の取引で利益を得るため」と指摘。八島被告は昨年11月からインターネットを使った株取引を始め、後に自己資金がわずかでも資金や株を借りて売り買いできる「信用取引」を始めたとされる。

  八島被告は犯行前にイズミ株4500株を信用取引で空売りし、店舗で火事などの騒ぎを起こして株価を下落させ、下がったところで株を買い戻せば利益が得られると考えたと指摘した。

  八島被告は1月に自宅近くのゆめタウン祇園(広島市)と同・南岩国の2カ所に発火装置を置いたが火災に至らず、株価も狙い通り下がらなかったため、近隣の報道機関や幼稚園などに睡眠薬を添えた脅迫文を約100通送付したり、翌月には睡眠薬を混入したカップラーメンを柳井店の陳列棚に紛れ込ませるなど犯行をエスカレートさせたという。

  一方弁護側は、八島被告の性格的傾向が原因と主張し、動機部分で争う構えだ。被告の代理人は「被告人の性格は、自分の書いた筋書きに執着する傾向が強く、自分でも明確な動機がわからない状態だ」と話す。八島被告が信用取引で被った損失は10万円に満たず、それだけが動機とは考えられないという。今後は八島被告の家族に、同被告の性格について証言を求める方針だ。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000605120003