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2006年05月11日(木) 06時20分

旧UFJ銀、飛鳥会へ行員派遣継続を指示朝日新聞

 大阪市から事実上の同和対策事業を受けていた財団法人「飛鳥会」理事長の小西邦彦容疑者(72)が業務上横領容疑で逮捕された事件で、同幇助(ほうじょ)の疑いで大阪府警に逮捕された三菱東京UFJ銀行淡路支店(大阪市東淀川区)次長兼法人課長の釘本実紀也容疑者(42)が、飛鳥会に常駐する勤務について「問題だと思ったが、本部の指示で続けることになった」と供述していることがわかった。府警は、巨額の融資など小西容疑者との密接な関係から、本店側が行員の派遣を重視していたとみて調べている。

 調べでは、同行淡路支店は約20年前の三和銀行当時から、平日の午前から夕方まで担当課長を近くの飛鳥会事務所で勤務させていた。

 担当課長は同会の出入金の手続きばかりでなく、本来飛鳥会の職員がするべき、職員の給与明細の作成や電話番までこなしていたという。

 府警の調べに対し、釘本容疑者は、03年4月に担当課長となった直後、経営統合前のUFJ銀行淡路支店の上司に対し、事務所での仕事内容や勤務時間などについて「問題ではないか」と相談したなどと供述。

 上司が大阪本部(大阪市中央区)に連絡し、本部は「勤務はこれまで通り続けるように」などと指示したという。05年12月まで指示通り飛鳥会での勤務を続けた。

 小西容疑者と同行との関係は、1970年代前半に旧三和銀行淡路支店に預金口座を開設したことをきっかけに取引が始まり、75年前後に不動産を担保にした融資が始まったという。融資の大半は、第三者に融資金が流れる転貸融資だったことがわかっている。

 三菱東京UFJ銀行広報部は「大阪府警の捜査が続いているので、コメントは控えたい」としている。

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 小西容疑者が理事長を務める2法人に、国や大阪府、大阪市などが、判明しただけで、少なくとも約53億円の補助金を出してきたことがわかった。「暴力団と関係のある人物が運営する施設に多額の補助をするのは問題だ」と、市議会などで繰り返し批判されたが、行政側は小西容疑者を「地域の実力者で、経営能力もある」(市OB)として、補助を見直すことはなかった。

 多額の補助を受けていたのは、大阪市から事実上の同和対策事業として、外郭団体を通じて駐車場の運営委託を受けていた財団法人飛鳥会(大阪市東淀川区)と、社会福祉法人「ともしび福祉会」(同)。

 飛鳥会は東淀川区内で運営するパール温泉、あすか温泉の二つの共同浴場の改修費用や運営費などとして、大阪市から地元の市同和事業促進飛鳥地区協議会(現飛鳥人権協会)を通じて、96〜04年度に計6億円の補助を受けた。

 一方、ともしび福祉会は、飛鳥会の8倍近い46億8000万円の補助金を受けた。

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 小西容疑者は大阪府高槻市の出身で、各地で部落差別に反対する運動が活発化した1960年代に大阪市東淀川区に移り住んだ。部落解放同盟大阪府連飛鳥支部が68年に創立された当時から40年近くにわたり、支部長を務めてきた。

 財団法人飛鳥会、社会福祉法人ともしび福祉会を相次いで設立し、地元では住宅環境の改善など福祉に尽力したと評価する声も強い。

 一方で、大阪府警によると、70年代後半まで日本最大の指定暴力団山口組傘下の暴力団幹部だった経歴を持つ。

 三菱東京UFJ銀行から50億円を超える融資を受け、約30億円を焦げ付かせる一方で、総額二十数億円の預金を保有していることも分かった。また、大阪市発注の公共事業での「地元対策のまとめ役」として、土木・建設業界への影響力を指摘する関係者もいる。

http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY200605100443.html