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2006年05月08日(月) 06時24分

引きこもり支援NPO代表らを立件へ 逮捕監禁致死容疑朝日新聞

 引きこもりの若者の社会復帰を支援するNPO法人「アイ・メンタルスクール」の名古屋市北区の寮で4月、入寮していた東京都世田谷区の男性(26)が死亡した事件で、愛知県警は、同法人の杉浦昌子代表理事(49)=同市東区=と職員、入寮者らを逮捕監禁致死容疑で立件する方針を固めた。8日にも一斉に取り調べに踏み切る。男性を自宅から無理やり連れ出し、車内や寮内で手錠や鎖を使って不当に拘束した行為が死亡につながったと判断した。

 県警が任意同行や出頭要請をした上で取り調べに乗り出すのは、杉浦代表理事のほか、職員の男数人と複数の入寮者の男。

 捜査1課と北署の調べでは、杉浦代表理事らは共謀し、4月14日朝、男性を自宅マンションから無理に連れ出し、手錠で手足を拘束するなどしてワゴン車で名古屋市北区芳野3丁目の寮まで移動。さらに寮内で監禁状態にし、同月18日ごろ、死亡させた疑いが出ている。

 男性は同18日午前8時ごろ、寮1階でぐったりした状態で見つかり、病院に運ばれたが、同9時すぎに死亡が確認された。県警は、寮を現場検証し、NPO法人事務所などを家宅捜索するとともに、職員や入寮者から事情聴取を進めてきた。その結果、連れ出しと監禁の実態が判明したという。

 関係者によると、男性は14日午後に入寮した直後から、1階の大部屋近くの廊下の柱に鎖で体を縛り付けられたという。食事を取る際も縛られたままで、トイレに行かせてもらえないこともあったという。男性の親は、男性を入寮させるよう依頼していたが、拘束して運ばれたり、寮で監禁状態にされたりすることは知らされていなかったという。

 杉浦代表理事や関係者によると、代表理事のほか、職員3人、入寮者2人が男性の連れ出しに直接かかわった。また、別の職員も、寮で男性を監視する役をしていたとされる。

 県警による司法解剖では、男性の死因は外傷性ショックの疑いだった。県警は、手錠や鎖で拘束された男性が逃れようとして暴れるなどした際に手足やほかの部位に傷ができ、筋肉が圧迫されるなどした結果、死亡に至った疑いが強いとみている。

 アイ・メンタルスクールは杉浦代表理事が91年に立ち上げた。家庭内暴力や引きこもり、不登校などの若者らを全国各地から受け入れ、集団生活を通じて社会復帰を目指すとしている。名古屋市東区に本部事務所があり、男性が死亡した北区の寮には事件当時、10代から40代の約70人が入っていた。事件後は退寮者が相次いでいる。

 01年9月に愛知県からNPO法人の認証を受けたが、寮は、NPO法人と同名の有限会社が運営する形になっている。

http://www.asahi.com/national/update/0507/NGY200605070001.html?ref=rss