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2006年05月06日(土) 00時00分

デジタルの波に過疎集落が苦悩朝日新聞

◆テレビのアナログ放送
    2011年までに終了◆

 地上波テレビをデジタル化する国の方針に、高齢化が進む山間地の集落が悩まされている。都市部に比べ、情報源の少ない過疎地では、テレビは貴重な「ライフライン」。これまで難視聴を解消するため共同アンテナをたててきたが、現在のアナログ放送が終了する2011年までに、アンテナの改修など新たな負担が必要だ。
(浅見和生)

 医王山のふもと、金沢市二俣町地区。森下川に沿って民家が肩を寄せ合うように立つ。同地区は、普通にアンテナをあげてもテレビを受信できない難視聴地域。約120世帯で共同受信組合を作り、受信環境の良い場所に共同アンテナをあげ、電波を増幅してケーブルで各世帯に送っている。

 こうした中、県内でも地上デジタル放送(地デジ)が7月から始まり、2011年以降は、テレビを見るには、地デジが受信出来るよう、アンテナや増幅器などの機材をデジタル対応に改めなければならなくなった。

 同組合によると、改修のための1戸当たりの負担金は10万円以上。組合では急な負担を減らそうと、以前から積み立てを続けてきているが、地デジを見るには、さらにテレビの買い替えも必要となり、年金を頼りに暮らす高齢者世帯には大きな出費となる。

 折池晃組合長(63)は「交通の不便な場所だけに、情報過疎だけは避けたい。だが、こちらが望むわけでないのに負担だけ増えるのは納得がいかない」と話す。

 県県民交流課によると、県内で二俣町のように共同アンテナをあげてテレビを受信しているのは約400集落。これまでのアナログ放送では、難視聴地域で共同アンテナをあげる場合、県が地元市町村とともに3分の1ずつの費用を負担してきた。ところが、地デジに関しては「放送局が細かく電波送信所を立てれば難視聴地域はなくなるはず。それが無理なら、国策で進めるのだから、国が補助するのが筋」との立場だ。

 だが、電波送信所の設置もテレビ局にとっても大きな負担。民放各局は少しでも負担を減らそうと共同で送信所を建設するが、それでも「現状維持」が精いっぱい。北陸朝日放送(HAB)が地デジ用に設置予定は26カ所。カバー範囲は現在のアナログとほぼ同じだ。

 一方、地デジを進める総務省の北陸総合通信局は「アンテナの改修は基本的には設置者に負担してもらうしかない」としている。

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 <<地上デジタル放送>>

 現在のアナログ放送よりも高画質、高音質が特徴で、データ放送や双方向機能があり、携帯電話での受信も可能になる。03年末に関東、中京、近畿で始まった。県内では7月に北陸朝日放送(HAB)を除く民放3局とNHKが、10月からHABが放送を開始する。11年7月までに完全移行し、これまでのアナログ放送は終了。デジタル専用のチューナーのないテレビでは放送が見られなくなる。

http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000000605060005