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2006年05月04日(木) 00時00分

金利上昇にどう対応? 住宅ローン 東京新聞

 日銀の量的緩和が解除され、住宅ローン金利が上昇の兆しを見せている。ローン金利が上がれば家計の負担は増える。返済計画への影響を最小限に抑えるためには、どうすればいいのか。専門家に聞いた。 

  (砂上麻子)

 「なんとかして住宅ローン金利が上がる前に家を購入したい」。東京都内のマンションのモデルルームを訪れた男性会社員(37)は、焦りを隠さない。二、三年先の購入を考えていたが、今年夏に前倒しする決心をした。五千万円程度の物件。「でも、この時期、どんな住宅ローンを選べばいいのか」と悩んでいる。

 今年三月、日銀が量的緩和政策の解除を決めてから、住宅ローン金利は少しずつ上昇。みずほ銀行や三井住友銀行など大手銀行は三月、四月と住宅ローン基準金利を二カ月連続で引き上げ、0・2−0・4%高くした。

 金利の上昇は、そのまま家計を直撃する。

 例えば三千万円を三十年固定ローンで借りると、金利3%なら月々の返済額は約十二万六千円で済むが、同じローンを4・5%で借りると、返済額は約十五万二千五百円に膨らむ。月額で約二万六千五百円、年額では約三十一万八千円の負担増になる。

 では、住宅ローン利用者は、金利上昇にどう対処すればいいのか。

 変動金利や二年、三年など短期固定金利で借りている人は、十年以上の長期固定への借り換えという方法がある。ファイナンシャルプランナーの山田静江さんは「家計に余力があるなら、長期固定金利への借り換えで、先行きの金利上昇リスクに備えたい」と話す。しかし、借り換えには、登記手数料や保証料など約五十万円程度の費用がかかるほか、返済額の負担が増えることを考慮に入れる必要がある。

 すでに長期の固定金利で借りている場合はどうか。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、月々の返済額を増やして返済期間を短縮することを勧める。三千万円の物件を頭金二割を払って購入した場合、三十五年と三十四年返済では返済総額に約四十八万円の差がつく。しかし、月々の返済負担増はわずか千五百四十円だ。

 「借りてから繰り上げ返済しようと考えても手が回らないことが多い。最初から少しでも返済期間を減らす努力をしたほうが安心」と畠中さん。

   ◇  ◇

 これから家を買うという人には、「金利が上がりそうなら早めに購入を」と畠中さん。頭金をためている間に金利が上昇すると、結局、返済総額が増える場合がある。「頭金をためるというのは金利が変わらない時に通用する手段」という。

 家計に余裕がない人は、三十年以上など長期の固定金利が向いている。金利は高めだが、借りる時に返済総額が分かり、資金計画が立てやすいからだ。

 反対に家計に余裕がある人なら、金利が低い変動金利や短期固定金利を選ぶ方法もある。

 畠中さんは「全額を短期固定にせず、長期の固定金利と組み合わせて将来の金利上昇に備えることもできる」と話す。

   ◇  

 先行きの金利水準を予想するのは難しいが、「住宅ローン金利が8%台だった時もある。今までの超低金利は例外で、今後5%まで上がっても不思議ではない」(山田さん)という予測も。

 日銀は当面、ゼロ金利政策を維持する方針だが、市場では利上げを織り込む動きが見られる。長期金利の指標となる新規発行十年国債の利回りが1・9%台と五年半ぶりの水準まで上がり、今年夏にもゼロ金利を解除する可能性があるといわれている。家計への影響を最小限にするためにも、この時期、一度返済計画を見直すことが必要だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20060504/ftu_____kur_____000.shtml