2006年05月03日(水) 23時15分

「大塚製薬が上場」と詐欺　４人を逮捕（朝日新聞）

　大手製薬会社、大塚製薬（本社・東京都千代田区）の未公開株を上場予定があるように偽り、個人投資家から現金をだまし取ったとして、千葉県警組織犯罪対策本部などは３日、東京都足立区足立３丁目、会社経営山田晴久容疑者（４２）ら４人を詐欺容疑で逮捕した。

　大塚製薬を含めた非上場の著名企業の株式をめぐっては、詐欺的な商法がここ数年、各地で問題化し、被害を訴える投資家らが消費生活センターなどに相談していた。

　ほかに逮捕されたのは会社員船橋博（４２）＝東京都足立区青井２丁目＝、会社役員渡辺清喜（６１）＝埼玉県越谷市宮前１丁目＝、無職植田理咲（３９）＝東京都港区赤坂６丁目＝の３容疑者。

　県警によると、山田容疑者は投資顧問会社の「ＳＭＣ投資クラブ」（東京都中央区）と「ＨＩＣ」（同）を実質的に経営し、３容疑者は２社の営業担当や外務員をしていた。

　グループは０４年３月〜０５年８月ごろにかけて、大塚製薬の未公開株約１５００株以上を全国で主に高齢者ら約６０人に販売、売上金は３億円以上に上ると見られる。さらにグループは同社以外にも約２０銘柄の未公開株２０万株以上を全国で販売し、１５億円以上の売り上げがあったとされる。

　調べでは、山田容疑者らは０５年１月ごろ、千葉県松戸市内の女性（６５）に対し、上場の予定がないのに大塚製薬の未公開株（額面５００円）について「１１〜１２月に間違いなく上場される。今だったら１株２０万円で譲れる。上場されれば３倍から５倍に上がる」などと勧誘し、５株の購入代金として１００万円をだまし取った疑い。

　８月になっても株券が届かないため不審に思った女性が県警松戸署に相談し、事件が発覚した。

　女性には後になって株券が届いたが、同様の被害にあった人の多くには届かずじまいだった。

　逮捕された４人のうち、山田容疑者を含む３人は「だますつもりはなかった」などと容疑を一部否認しているという。

　県警はグループが山口組系の暴力団組織と関係している可能性もあると見てさらに調べを進めている。

http://www.asahi.com/national/update/0503/TKY200605030217.html