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2006年05月01日(月) 08時12分

姉歯容疑者の「木村の仕事が9割」証言に疑義朝日新聞

 耐震強度を偽装した元建築士姉歯秀次容疑者(48)=建築士法違反幇助(ほうじょ)の容疑で逮捕=が昨年12月の国会の証人喚問で、初めて構造計算書を偽造したとされる98年当時、「仕事の90%ぐらいは木村建設から請け負っていた」とした説明は事実と異なる疑いがあることがわかった。国土交通省が現時点で把握しているデータでは、同社がらみの仕事の割合は大幅に低かった可能性がある。姉歯元建築士は、偽装したのは木村建設からの圧力があったためだとしていたが、証言と客観的データが大きく食い違っており、警視庁などは押収資料を分析するなどして動機の解明を進めている。

 姉歯元建築士の証人喚問は昨年12月14日。

 98年当時の仕事は「9割以上が木村建設がらみ」だったとし、元東京支店長の篠塚明容疑者(45)=建設業法違反容疑で逮捕=から「鉄筋を減らさなければ仕事を一切出さないと言われた」と証言。「(同社の仕事が)なくなると生活できなくなる」ことや、「病気がちの妻が入退院を繰り返していた」こともあり、「いけないとわかっていながら、弱い自分がいてやってしまった」などと説明した。

 併せて、初めて偽装したのは木村建設が施工したグランドステージ池上(東京都大田区、98年5月に建築確認申請)だったと明かした。

 ところが、姉歯元建築士が構造設計やその一部である構造計算に関与したとして国交省が把握している205件のうち、97年までに請け負ったのは17件で、木村建設が施工した物件は1件もなかった。98年は受注した10件のうち同社がらみは2件で、99年になると24件のうち10件に増えたが、割合は4割程度。木村建設がらみの仕事が9割に上るという実態は確認されていない。

 姉歯元建築士が過去に請け負った仕事の調査は、事務所に残された書類などを千葉県が調べた結果がベースになっており、新たな関与物件が今後判明する可能性もあるが、98年当時の仕事の状況は大きくは変わらないとみられる。

 木村建設関係者によると、同社は96年に構造設計とは別の仕事で姉歯元建築士を初めて使い、98年のグランドステージ池上を手始めに構造計算を依頼するようになったという。

 証人喚問で篠塚元支店長は鉄筋の減量を要求したことは認めたものの、「法令順守の範囲内のこと」などと違法行為の強要は否定した。同社関係者は篠塚元支店長が姉歯元建築士に鉄筋の減量を要求したのは、同社がホテルなどの構造設計を頻繁に発注し始めた99年以降だとしている。

http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200604300176.html