【関連】発覚５ヵ月　ようやく突破口『事態予想せず』（東京新聞）

2006年04月26日(水) 00時00分

　木村建設元東京支店長篠塚明容疑者（４５）は午前五時ごろ、熊本県八代市の自宅前に姿を見せた。ジャージー姿で近くを散歩しながら、報道陣に「こんな事態になるとは、誰も予想しなかった」と漏らした。

　午前八時半すぎ、三台の車に分乗した捜査員が自宅に到着。スーツに着替えた篠塚容疑者は、硬い表情で周囲に目をやり、無言でワゴン車に。熊本県警のパトカーの先導で熊本空港に入り、午後零時四十五分、羽田空港に到着した。

　今年二月、東京都新宿区のアパートを引き払い八代市の実家に戻った。東京では記者を部屋に招き入れ、「逃げ隠れしない。でも外に出て、買い物することもできない」と苦笑する余裕があった。しかし、逮捕の約十日前は、報道陣に「家の前に立つな。迷惑だ」。血走った目で、追いつめられた様子だった。

　同社社長の木村盛好容疑者は二十六日午前、福岡空港から東京に向かった。

　同容疑者は一九六三年に建設会社を興し、一代で県内トップに育て上げた。しかし、昨年十一月の偽装公表のわずか二週間後、破産申請に追い込まれた。

　本社敷地内にある自宅は無人で、破産を知らせる告示書が玄関のドアに張られている。窓から見える室内のカーテンは破れたまま。近所の住民は「事件の報道があってから、ずっといませんよ」と話した。

■「逮捕、違法だ」篠塚容疑者弁護士

　木村建設元東京支店長の篠塚明容疑者の弁護士は二十六日、「逮捕は耐震構造偽装問題での立件を視野に入れた別件逮捕で、違法だ」とのコメントを発表した。

　弁護士は「篠塚容疑者は粉飾決算の事実を最近になって関係者から聞くまで知らなかった」と主張。同容疑者が証拠書類を一切持っておらず、社長の木村盛好容疑者らがすでに容疑事実を認めていることから、「逮捕要件を満たしていない」としている。

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