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2006年04月25日(火) 11時02分

焼津のパブ強殺:元タクシー運転手に無期懲役−−地裁判決 /静岡毎日新聞

 ◇元タクシー運転手、遺族に背向けたまま退廷
 JR焼津駅前のパブで昨年5月、同店店長の中村吉雄さん(当時59歳)を殺害したなどとして強盗殺人などの罪に問われた住所不定の元タクシー運転手、古川順也被告(49)に対し静岡地裁の竹花俊徳裁判長は24日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。被告側は控訴しない方針。3月の論告公判で土下座して謝罪した被告は判決後、傍聴席を振り返ることもなく法廷を後にした。傍聴席の中村さんの遺族らからは無念の声が上がった。【稲生陽、中嶋真希】
 「絶対に許さないからな」。退廷する被告の背中に傍聴席から激しい怒号が飛んだ。
 判決では、被告は昨年5月7日午前4時ごろ、売上金を奪おうと焼津市栄町のパブ「モンローウォーク」に忍び込んだのを店長の中村さんに見つかり、通報を恐れて果物ナイフとネクタイで殺害。現金約2万2500円などを奪って逃げた。奪った金を数日で使い果たすと、タクシー強盗を繰り返した。
 中村さんの長男・剛史さん(35)は「父は金のためだけに殺されたのか」と肩を震わせた。店は事件から間もなくして閉めたが、今もたびたび父が殺された瞬間の痛みが心に浮かぶ。「遺族に背を向けたまま出ていった被告が許せない。前回見せた土下座は演技ではないのか」と拳を握り締めた。
 店の関係者によると、被告はお気に入りのフィリピン人従業員のいる同店に足繁く通い「順ちゃん」と呼ばれるほどの常連。周囲の気を引くために派手な金遣いを繰り返していたという。
 しかし判決では、借金に苦しむ被告の姿が浮かび上がった。被告は78年ごろからギャンブルで消費者金融などから借金を重ね、タクシー運転手をしていた昨年1月ごろまでの十数年間も、売上金に手をつけるなど問題を起こしていたという。
 そして昨春、借金返済を求められた被告は同店の売上金を奪うことを計画。従業員を脅すための果物ナイフなどを用意し、同店の更衣室兼倉庫に潜んでいるところを中村さんに発見され殺害した。後頭部を100回以上突き刺したナイフは根元から曲がっていたという。
 竹花裁判長は判決で「経済的失敗を繰り返しながら誠実に向き合う意欲に乏しく、他人に甘え、他人に依存し、他人の迷惑を顧みず、その場しのぎで毎日を送ってきたことの帰結」と被告を厳しく批判した。

4月25日朝刊
(毎日新聞) - 4月25日11時2分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060425-00000016-mailo-l22