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2006年04月18日(火) 02時42分

平成電電、再生を断念産経新聞

 民事再生手続き中の平成電電(東京都渋谷区)は十七日、資金繰りの行き詰まりを理由に再生を断念したと発表した。今後裁判所が再生手続きの廃止を確定し、保全管理人の管理下で破産処理が始まるが、最終的に清算される公算が大きい。
 平成十八年三月末時点で平成電電の負債総額は千三百億円で契約者は十四万四千人。これまで経営難に直面した通信会社は受け皿会社が契約者ごと救済してきたものの、今回は対応の決まらないケースとなる。
 昨年十月に民事再生法の適用を申請した平成電電は、支援スポンサーとなったドリームテクノロジーズが十六日になって支援停止を発表。この結果、「資金繰りに窮し、再生手続きを遂行できない状態」(平成電電)に陥り、再生断念を発表した。
 支援停止の理由についてドリーム社は「平成電電が十分な情報を提供せず、信頼関係の維持が不可能になった」としているが、平成電電の佐藤賢治社長は「情報はすべて開示した。なぜこうなったのか分からない」と言い分は異なっている。
 契約者への対応について佐藤社長は「迷惑をかけないように努力したいが、保全管理人の判断に委ねられる」と述べ、債権者については「配当ができない状況となり申しわけない」と陳謝。自身は経営の第一線から退く考えを明らかにした。
     ◇
≪通信市場 厳しい経営環境≫
 割安固定電話サービスの先駆けとなった平成電電が経営破綻(はたん)に追い込まれたことは、通信市場をめぐる経営環境の厳しさを改めて浮き彫りにしたといえる。昭和六十年の自由化以降、通信業界には参入企業が相次いだが、この間、インターネットの急激な普及で業界構造は一変。「勝者」は固定電話や携帯電話、ネット関連サービスを併せ持つ総合通信会社に収斂(しゅうれん)されつつあり、新規参入組の成功はこれまで以上に厳しい情勢だ。
 「再生断念ということになり、(関係者に)多大なご迷惑をおかけすることをおわびしたい」。平成電電の佐藤賢治社長は十七日の記者会見で、深々と頭を下げた。
 ただ、契約者がいつまでサービスを受けることが可能かについては「他事業者への移行も含め検討する」と繰り返すのみ。通信事業者の破綻は契約者が一方的に迷惑を被ることになる現実の一端を見せつけた。
 平成電電は業界で初めて、NTTの空き回線を利用した割安固定電話サービス「CHOKKA(チョッカ)」を平成十五年七月に開始して注目を集めた。有名タレントを起用したテレビCMを大量に流し、チョッカの契約者を対象に将来不要となるNTTの電話加入権を最大三万六千円(税抜き)で買い取る集客手段を打ち出し、話題をさらった時期もある。
 一方で、投資事業組合を通じ一万九千人の投資家から計四百九十億円を集めたが、業界内には「危うさを感じる」との見方が多かった。(冨岡耕)
(産経新聞) - 4月18日2時42分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060418-00000015-san-bus_all