悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年04月18日(火) 14時35分

<脱輪母子死傷>三菱自に550万円の賠償命令 横浜地裁毎日新聞

 横浜市瀬谷区で02年1月に起きた三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)製トレーラーのタイヤ脱落事故をめぐり、死傷した母子の遺族が国や三菱自に総額約1億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、横浜地裁であった。山本博裁判長(柴田寛之裁判長代読)は、「加害態様は悪質で、原告の精神的苦痛は極めて大きい」と述べ、精神的損害を受けたことへの慰謝料として三菱自に550万円の支払いを命じたが、制裁を目的とした慰謝料(制裁的慰謝料)については退けた。また、国への請求は棄却した。
 判決などによると、神奈川県大和市の主婦、岡本紫穂さん(当時29歳)は02年1月、横浜市瀬谷区の歩道で、トレーラーから脱落した左前輪(重さ約140キロ)の直撃を受け死亡、当時4歳の長男と同1歳の二男も軽傷を負った。
 岡本さんの母増田陽子さん(56)は03年3月、国と三菱自などを相手取り提訴し、その後、神奈川県警の捜査などから、岡本さんの事故までに同様の脱落が計39件起きていたことが判明。原告側は損害賠償請求額を当初の550万円から三菱自への制裁的慰謝料1億円を加えた約1億6500万円に増額した。
 製造責任を認めていなかった三菱側は04年3月、一転して車軸とタイヤをつなぐハブに設計上の問題があったとして国にリコールを届け出。原告側に対しても一定の責任を認めたが、制裁的慰謝料については「日本では認められない」と争い、和解は成立しなかった。
 原告側は国に対して「リコール実施の勧告など、行政指導をすべきだった」と主張していたが、国は「三菱自から虚偽報告を受け、リコール該当と判断することは不可能だった」と責任を否定していた。
 この事故では、ハブの強度不足が疑われ、重大事故を予見できたのに改善措置を取らなかったとして、三菱自のリコール担当幹部(当時)の2人が業務上過失致死傷の罪で起訴され、横浜地裁で公判中。2被告は「事故の予見は困難だった」と無罪を主張している。【伊藤直孝】
(毎日新聞) - 4月18日14時35分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060418-00000056-mai-soci