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2006年04月16日(日) 16時05分

リポート’06:急増する「貸します詐欺」 実在会社かたり巧妙化 /鹿児島毎日新聞

 ◇求められる被害防止策
 「お金を貸します」——。こういって低金利の融資をうたい、保証金を名目に金をだまし取る「貸します詐欺」(融資保証金詐欺)の被害が増えている。04年ごろから全国的に増え、県内でも昨年の被害額が前年の1・7倍に急増。実在する会社の名をかたるなど手口が巧妙化しており、被害防止策が求められている。【大塚仁】
 ◆名目変え要求
 貸します詐欺は、全国的に被害が深刻な「振り込め詐欺」の一種だ。犯人は実在する大手の金融機関や消費者金融の名前も悪用。同じ企業ロゴやCMタレントの写真をあしらって「低金利融資」を勧誘するダイレクトメール(DM)などを送りつけ、融資のための「保証金」を要求する。
 保証金を一度払うと、さらに事務手数料やブラックリスト消去料などと名目を変え、何度も振り込ませようとする。最近は「当社の名前をかたる悪質な業者に注意」とただし書きもつけるなど、さらに巧妙化している。
 県内に住む40代のある女性は今年、120万円の被害に遭った。数社に多額の借金があり、自宅に届いたDMを見て、借金を一本化しようと電話をかけた。400万円の融資を申し込むと、相手は「額が大きいので保証料40万円が必要」などと持ちかけた。女性が振り込むとすぐに担当を名乗る男が電話で「10カ月分の保証料が必要」と要求。追加で80万円を振り込んだ。更に保証料20万円の要求で不審に思い、かけ直すと電話はもうつながらなかった。
 ◆昨年は153件
 警察庁のまとめによると、全国の昨年の被害件数は約9900件、被害総額は約66億8000万円で、ともに前年より73%増加した。県内でも153件、1億6800万円に上り、前年より約7割増えている。振込先などから、犯人はほとんどが首都圏を拠点にしているとみられ、県警も捜査員を派遣するなどして調べている。
 しかし、被害の回復となると難しい。県弁護士会消費者問題対策委員長の増田秀雄弁護士は「振り込んだ金は即、犯人側に引き出される。弁護士などに相談するころにはまず手遅れだ」と語る。口座を凍結し裁判で取り返した例もあるが、それも他の被害者の金が偶然残っていたという皮肉なケースだ。
 大手消費者金融5社でつくる消費者金融連絡会(東京)は「理由が何であれ融資前に利用者からお金を振り込ませることはない。取引のない相手にDMを送ることもない」と注意を呼びかけている。

4月16日朝刊
(毎日新聞) - 4月16日16時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060416-00000192-mailo-l46