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2006年04月15日(土) 02時05分

どなる、居座る…アイフルの取り立てに次々訴訟読売新聞

 返済を求めてどなり、玄関に居座る——。14日、異例の全店業務停止処分を受けた消費者金融大手「アイフル」(本社・京都市)。金融庁が処分理由に挙げたケースや、各地で起こされた訴訟からは、同社の強引な取り立ての実態が浮かぶ。

 一方、多重債務者の支援団体からは「同じような取り立ては業界に蔓延(まんえん)している」との声も出ており、これまで「ヤミ金融とは違う」と主張してきた消費者金融業界の体質も問われることになりそうだ。

 金融庁によると、アイフル五稜郭店(北海道)は、認知症の患者にまで貸し付けていた。2004年3月、患者の代理人が融資契約の取り消しを申し入れたが、その後も取り立てを続け、申し入れの事実を記録していなかった。

 コンタクトセンター福岡(福岡市)は、返済が滞った顧客に督促を担当する部署が、電話で自宅に連絡できるのに、わざわざ勤務先にかけていた。顧客がやめるように言っても続いた。新居浜店(愛媛県)は04年11〜12月、返済資金を第三者から調達するようしつこく求め、「奥さんに話をさせてください。お母さんでも」と迫った。

 これらはいずれも、ヤミ金融の取り立てが社会問題化したことを受け、04年1月に施行された改正貸金業規制法(ヤミ金融対策法の一つ)に抵触する悪質な取り立てだった。

 アイフルを相手取った訴訟でも、原告らは同様のケースを訴える。

 神戸市の女性(71)は05年1月、生活費を強引に取り立てられたとして提訴した。多重債務に陥り、生活保護を受けていたが、同社社員は「払ってもらわなければ帰らない」と玄関口に居座った。女性は「この場を逃れたい」との一心で、なけなしの5000円を渡した。

 熊本県内の多重債務者救済団体の相談員吉田洋一さん(69)は03年8月、債務者の相談を受けた際、同社社員から「話を聞け、じじい」「お前らなんてつぶすのは何ともねえ」とどなり散らされた。吉田さんは「身の危険を感じた」として05年8月、慰謝料を求めて提訴した。

 一方、別の救済団体「夜明けの会」(埼玉県)の事務局次長吉田豊樹さん(33)は、「取り立ての厳しさは大手も中小も同じ」と話す。吉田さんもかつては多重債務者で、10社超の消費者金融から連日、勤務先に督促の電話がかかってきた。精神的に追い込まれ、退社して自己破産した。

 消費者金融問題に詳しい木村裕二弁護士は、「アイフルの違法取り立ては長らく指摘されてきたが、CMで優良企業とのイメージが先行していた。消費者金融業界の『我々はヤミ金とは違う』との説明が誤りだったことが露呈した。処分を業界全体で重く受け止めるべきだ」と指摘した。
(読売新聞) - 4月15日2時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060414-00000118-yom-soci