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2006年04月11日(火) 00時00分

【解説】 客観的な証拠収集を 東京新聞

 刑事処分で不起訴となった男性に対し、民事で“有罪”と認定した地裁八王子支部の判決は、客観的証拠が少ない痴漢事件で、「容疑者」と「被害者」の主張が矛盾した際の事実認定の難しさを示した。

 痴漢事件をめぐっては、刑事裁判で無罪判決が相次ぐとともに、一審と二審で有罪、無罪が逆転するケースもある。無罪を主張する男性と、被害を訴える女性のどちらの言い分が信用できるかが争点となり、裁判官の心証に委ねられる場合が少なくないからだ。

 冤罪を防ぎ、逆に犯人の言い逃れを許さないためには、当事者の証言以外に、捜査段階でこれまで以上に、客観的な証拠収集が求められるといえそうだ。

 法曹界には「捜査当局が『犯人』の身体や『被害者』の衣服から、体液や繊維片などの物証を積極的に採集し、検証するべきだ」との声もある。被害女性への人権配慮は最優先だが、冤罪が多いとされる痴漢事件だからこそ、より厳格な捜査に期待がかかる。

 警視庁によると、都内の電車内では二〇〇四年に約二千二百件の痴漢事件があり、一九九六年の約三倍に上る。犯人摘発を望む社会の要求が高まる中で、捜査のあり方も問われている。 (杉本 慶一)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060411/lcl_____tko_____001.shtml