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2006年04月06日(木) 15時08分

<埼玉医科大>「卒業御礼」返還を 除籍男性の母提訴へ毎日新聞

 埼玉医科大(埼玉県毛呂山町)の理事長ら3人が「卒業御礼」としての現金約450万円を受け取りながら、卒業できなかったとして元同医大生だった男性(44)の母親(75)が近く3人を相手取り、支払った現金の返還などを求めて、さいたま地裁に提訴する。最終的に除籍処分にされた男性は、これまでに「退学処分は無効」として提訴、最高裁まで争ったが敗訴した。3人は陳述の中で現金授受の大半を認めているが、趣旨については否定。今回は「医学部を卒業させたい親の足元を見た悪質な行為だ」と主張する母親が原告となる。【大平誠】
 訴状や陳述書などによると、男性は85年に埼玉医大に入学。最終学年の6年生まで進級したが、96年度まで留年を繰り返した。93年に父親が急死して以降、一時学費が未納になり、その後母親は請求された未納金2359万円を納入。ところが96年12月、大学から「退学」が伝えられた。当時、学務担当責任者だった教授は「本当は学費未納が理由だが、学力不足ということで処分した」と説明したという。しかし、母親が学費を全納すると、翌97年2月、いったん退学処分は撤回された。
 母親は同月末、職員に呼び出され、連れ立って教授を訪問。職員は「卒業でよかったね」と言い、母親はその場で教授に100万円、職員に50万円を手渡したという。母親はこの後も教授と職員、さらに理事長にも各約100万円ずつを渡したとしている。
 ところが、男性は卒業できないまま在学年限切れとなり、大学の勧めで99年まで復学試験を受け続けたが、いずれも不合格。こうした事態に母親らは、理事会に訴えるなど大学側とトラブルになり、同年11月、母親の自宅郵便受けに現金計310万円が投げ込まれた。この金は、後に職員が投げ入れたことが判明したが、帯封が謝礼で渡した際とは異なる銀行名だったという。大学からは04年になって「97年3月末日で除籍処分にした」という通知を受けた。
 男性が起こした退学処分無効訴訟の中で、こうした現金授受について教授らは「何度も拒否したのに、お母さんが『卒業させろ』と無理に置いていった。その後も返却しようと努力したが、お母さんがかたくなに受け取らなかった」などと反論。この訴訟で男性は現金返還も求めたが、支払ったのが母親だったため認められなかったという。
 母親は「事前に卒業させてくれとお願いしたのではなく、『卒業御礼』のつもりだった。教授らは黙ってニコニコと受け取ったが、(金額が)まだ足りなかったのでしょうか」と話す。
 これに対し、同医大広報室は「既に裁判で大学側完全勝訴で決着しており、改めてコメントすることはない」としている。
(毎日新聞) - 4月6日15時8分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060406-00000062-mai-soci&kz=soci