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2006年04月03日(月) 00時00分

スパイウエア潜伏 家庭PCの8割に? カード番号“盗み見” 「スパイウエア撲滅キャンペーン」では持参パソコンのチェックも行われた=東京都千代田区で 東京新聞

 知らない間にパソコンに入り込んで個人情報などを盗み出すスパイウエアが、大きな社会問題となっている。ネット銀行から合計約一千万円が引き出される事件が昨年七月に発生するなど、被害は拡大する一方。専門家は「スパイウエアにはウイルス対策とは別の対策も必要だ」などと呼びかけている。 (大島 弘義)

 サラリーマンが行き交う東京・丸の内で先月、セキュリティーソフトのコンピュータ・アソシエイツ社(東京都新宿区)が、「スパイウエア撲滅キャンペーン」を開催。会場では、自らのブログ(簡易ホームページ)が人気のタレント、真鍋かをりさんが「目に見えないのであまり意識はしていなかったが、調べたらわたしのパソコンにもスパイウエアが三十個も検出された。パソコンを使っている人は感染していると思った方がいい」と訴えた。

 同社によると、家庭のパソコンの約八割に入り込んでいるらしい。銀行から預金が引き出された昨年の事件では、キーボードや画面での操作が外部に流出する「キーロガー」というタイプのスパイウエアが使われた。

 経済的被害だけでなく、盗まれた情報をもとに行われた不正行為で社会的な信頼を失うこともある。

 会場では、市民から持ち込まれたパソコンを調べるサービスも実施。調べてもらった千葉市の主婦(33)は「自分の知らないウェブサイトが、突然出てくることがあった。危険度が高い二つのスパイウエアを含み、合計十個も見つかった。対策ソフトの導入を考えたい」と驚いていた。

 スパイウエア対策は企業でも重要。MM総研の調査によると、スパイウエアの脅威や危険を認識している企業は91%あるが、対策ソフトの導入などはわずか8%にすぎない。

■富士通総研主任研究員 前川徹氏に聞く

 スパイウエア事情に詳しい富士通総研経済研究所主任研究員、前川徹さんに聞いた。

 ——スパイウエア対策の注意点は。

 「ウイルス対策専用ソフトでは検索も駆除もできないことだ。優秀なスパイほど見つからないのと同様で、危険なスパイウエアは見つかりにくい。異常を感じなくても危ないスパイウエアが入っているかもしれない」

 ——最も怖いタイプは。

 「(キーボードの操作内容を外部に送信する)キーロガー。キーボード操作で数字が十六けた続けば、ほとんどがクレジットカード番号と分かり、次は有効期限で、ローマ字が名前と分かってしまう。(キーボード操作を分からなくする)乱数表を使っても、画面ごとスナップショットとして取ってしまうものもある。キーロガーの被害は五年前、世界で三百件だったのが、昨年は六千二百件へと増えている」

 ——個人の対策は。

 「ウイルス対策とは別に、信頼できる対策ソフトを入れる。怪しいサイトは見ない。安全確認できないソフトはダウンロードしない。添付ファイルも安易に開かないことなどは最低限必要だ」

 スパイウエア 利用者が知らないうちに、パソコン上の情報を盗んだり設定を変えるプログラムのこと。他のソフトウエアにくっついて配布される。パソコン性能を低下させたり、IDやパスワードなどを取り出したりする。キーロガーのほか、画面に強制的に広告を表示させる「アドウエア」、設定を勝手に書き換える「ハイジャッカー」などがある。最近個人情報流出の問題で話題になっているファイル交換ソフト「ウィニー」は、スパイウエアの主要な感染源の一つと考えられる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20060403/ftu_____dgi_____000.shtml