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2006年03月31日(金) 15時04分

<悪質リフォーム>サムニントップの小川被告、いまだ否認毎日新聞

 「下がやったことは分からない」。お年寄りをターゲットに住宅リフォーム詐欺を繰り返したとして警視庁が摘発した「サムニングループ」事件で、かつて親会社だった「エム・エイチ・エス」社長の小川隆司被告(38)=詐欺罪などで起訴=が、否認を続けている。2度の逮捕で拘置は既に50日を超えたが、供述調書への署名さえ拒否している。元部下からは「社長がやらせたこと。否認は許せない」と非難する声が聞かれる。
 小川被告は、レストラン経営会社社員から独立。換気扇のカバー、浄水機と販売品目を変え、97年にリフォーム事業に乗り出した。サムニンというグループ名は「侍のように誠実に、忍者のように素早くあれ」という思いで付けたという。
 しかし、誠実さとは縁遠い営業活動を繰り広げた。お年寄りを狙って厳しいノルマを課して営業マン同士を競い合わせ、業績不振の社員には全員の前で体罰を加えた。こうしたムチの一方で、報酬というアメも用意。年間1億〜2億円の契約を取り、1000万〜2000万円の年収を得ていた営業マンもいた。04年11月の警視庁の家宅捜索で、エム社が株式上場の手続きを進めていたことも判明した。
 警視庁が逮捕したサムニングループ関係者は、小川被告を含め13人。全員が起訴された。逮捕時はほぼ全員が容疑を否認していたが、営業マン5人はすべて容疑を認めるようになった。だが、小川被告が供述調書への署名にさえ応じないのをはじめ、幹部8人のうち5人は依然否認している。
 営業方針に反発してやめた元社員は「社長(小川被告)がかつて『本当は人のためになることがしたかった。でもここまできたらもうやめられない』と言うのを聞いたことがある。社長が違法を承知でやったことで部下が罪を償おうとしているのに、否認し続けるのは許せない」と話している。【合田月美】
 ◇ほとんどの被害者、契約金取り戻せず
 サムニングループは全国30以上の都府県で、約6000人から150億円近くを荒稼ぎしたとされる。しかし、ほとんどの被害者が契約金の一部も取り戻せていない。
 警視庁の調べによると、都府県別では東京都内での契約が最も多く、約1400人が被害に遭ったとみられる。一方、都消費生活総合センターによると、同グループに関する相談は01年度からの5年間で約330件にとどまり、被害者の2割余に過ぎない。残りは被害の認識がないか、被害に気づいても代金を支払ってしまったなどの理由であきらめている契約者が大半とみられている。
 都と埼玉県では「被害対策弁護団」が結成された。昨年末から今年1月にかけて36人の被害者がグループ幹部や従業員らを相手取り、計約3億5000万円余の損害賠償請求訴訟を起こしている。しかし、グループ各社とも事実上倒産した状態で、訴状の送り先すら判明しない相手も多く、勝訴しても賠償金が支払われるかどうか不透明な状況だ。【須山勉】
(毎日新聞) - 3月31日15時4分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060331-00000074-mai-soci