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2006年03月30日(木) 00時00分

年金、ネットで照会 社保庁ホームページ  東京新聞

 国民年金や厚生年金などへの自分の加入記録について、パソコン(インターネット)で即座に確認できる無料サービスを、三十一日から社会保険庁が始める。加入記録は、年金の受給資格などに直結するデータ。これまでのように社会保険事務所に足を運ばなくても、その照会ができる。手続きミスや加入記録が不安安な人も少なくない中、順調にいけば、かなり役立ちそうなサービスだ。 (坂口 千夏)

 新サービスは国民年金と厚生年金、船員保険の加入者が対象。社保庁のHP(ホームページ)から、自分の加入歴や保険料納付状況、標準報酬月額などを、画面ですぐに知ることができる。同HPには、年金見込み額試算などのサービスがあるが、それに加えて新設された。

 新サービスの利用にはまず、同HPで住所や氏名、基礎年金番号、自分で設定するパスワードを登録。申し込みから約二週間で、IDとパスワードが郵送される。HPにこれらを入力すれば情報が得られる。

 ただ、記録管理などの事情から、共済年金加入中の人はサービスの対象外。過去に共済年金加入歴があると、記録が正確に表示されない場合がある。また既に老齢年金を受給中の人は対象外。

   ×  ×

 提供される加入記録は、老齢年金はもちろん、障害・遺族年金などの受給資格や受給額にも影響するデータ。たとえば障害年金の受給には、初診日を基準にした保険料納付要件があり、加入記録は重要だ。

 その記録の照会はこれまで、社会保険事務所に直接出向いて申し込み、郵送でデータを受け取る方法が一般的だった。

 転職・退職時の手続きミスへの心配などから、照会する人はこれまでも年間約十五万人いた。だが、相談窓口がいつも混雑▽職員が調べて郵送するため、届くまで一カ月程度かかる▽必要時にその都度申し込まなければならない−など不満の声が大きかった。 

 HPには、年金見込み額試算と同時に加入記録が分かるサービスも以前からあるが、有料の電子認証が必要など複雑で、利用件数もわずかだ。

 新サービスの提供データは、保険料支払い状況などを反映して毎月更新。休日や深夜を問わずに閲覧できる。年齢にも関係なく、加入記録を確認できる利点は大きい。

   ×  ×

 社保庁は、年間約九十万人の利用者を見込む。国民年金保険料の未納率が38・8%(二〇〇五年度上半期分)という状況下、「少しでも年金制度への興味を喚起して、納付率を上げたい」という狙いが同庁にはある。

 そのためにも、新サービスは「ネットバンキング並みのセキュリティー対策を施す」と同庁。IDの郵送先は、市町村や会社を通じ届け出ている住所地。HPで別の住所地を登録すると「情報に不備がある」とだけ通知される。

 ただ、サービス開始直後には、利用者が殺到し、パスワードなどの送付が遅れるような事態もあり得る。利用者側も、IDやパスワードの管理にはもちろん、なりすましによる電子メール詐欺(フィッシング詐欺)への対応など、常識的な注意は必要だ。

 社会保険労務士の三浦真澄さんは「新サービスはパソコン利用者には便利。でも、年金制度に詳しくない場合は、実際に窓口に行った方が、専門家にいろいろと疑問点を聞くこともできる点を忘れないで」とアドバイスしている。

 【新サービスの主な内容】

(1)加入履歴(加入制度、事業所名、資格取得・喪失年月日、加入月数など)

(2)国民年金保険料の納付状況(納付済み・免除・学生納付特例の月数など)

(3)厚生年金・船員保険の標準報酬月額・標準賞与額

 ※画面で閲覧

 【既存のサービス】

●年金額簡易試算 

 加入期間などを自分で設定し、将来の年金額(目安)を画面で試算。

●年金見込み額試算

 同庁管理の個人記録に基づく。年金見込み額試算と、計算基礎となった年金加入記録を回答。結果は約1カ月後に郵送。50歳以上対象。

●年金加入記録照会・年金見込み額試算

 同庁管理の個人記録に基づく。年金見込み額の試算は50歳以上のみ。電子証明書(有料)の取得が必要。結果は約1週間後に電子文書で。

※アドレス=http://www.sia.go.jp/


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20060330/ftu_____kur_____000.shtml