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2006年03月29日(水) 00時00分

辞書には載っていないが、若者が使う「ディスコミュニケーショ… 東京新聞


 辞書には載っていないが、若者が使う「ディスコミュニケーション」という英語がある。電話が途中で切れ、かけ直したときなどに「Sorry, We Were Discommunicated(ごめんね。切れちゃって)」というように使われる▼無理に訳せば「相互不達」だが、和製英語ふうにいえば「コミュニケーションできない状態」。青年コミック誌の連載漫画のタイトルにも使われて広がったが、あちこちで引き起こされる今のコミュニケーション不全症候群を象徴する言葉だ▼それが、がんの末期患者の家族の同意なく生命維持装置をはずした富山県の病院の医師だったり、オウム事件の麻原彰晃被告の弁護人と東京高裁との間のディスコミュニケーションだと、人命や死刑の可否が問われるだけに深刻な結果を引き起こす▼戦術として控訴趣意書を出さなかった弁護人の手続きミスをとがめ、被告の控訴を棄却してしまった東京高裁。弁護人は異議申し立てと最高裁への特別抗告の道は残されているが、一審の死刑判決が確定する公算が大きい▼「被告に訴訟能力はなく公判停止すべきだ」と主張する弁護人と、「被告の訴訟能力はある」としながら実質審理を切り捨てた高裁との法律論争が、被告の防御の機会をつぶしたとの専門家の批判もある▼裁判所は刑事訴訟法第一条の「真相の解明」という法の目的を果たしたといえるのか。二十七人の命を奪った凶悪事件を麻原教祖はどう思っていたのか、真相を知りたい被害者家族や国民の疑問に答える道がこれで閉ざされてしまうがいいか。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20060329/col_____hissen__000.shtml