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2006年03月29日(水) 00時00分

無酔な話…ビンテージ洋酒飲めなくなる!?ZAKZAK

食品の残留農薬規制制度で

 「年代の古いものは、どの農薬を使ったからわからない。輸入時の検査で“想定外”の農薬が検出されたら、販売できなくなって大打撃だ」。都内で洋酒を輸入をする業者は、こう危惧(きぐ)する。

 従来は指定された農薬だけに基準値を定め、ほかの農薬に基準はなかったが、5月29日に導入される「ポジティブリスト制度」では、基準のなかった農薬も含めた799項目について、0.01PPMを超えると流通禁止となる。

 農薬の種類は地域や作物でさまざま。特に、数十年前の洋酒製造の段階で、原料や樽に使われた木の農薬に関する記録はほとんど残っていない。リキュールに至っては原料を「企業秘密」として明らかにしない製造元もある。

 オーガニックワインをEU圏内から輸入している「マヴィ」(東京)の田村安社長は「隣の畑の農薬が検出されても、販売できなくなる。フランスでは生産者から『日本に売らなければいい』という声も出ている」と指摘。「貿易摩擦も考えられる。バカな法律ですよ」と切り捨てた。

 洋酒も含め、食品関連企業の多くは生産段階の農薬の有無を調べたり、検査体制の整備を進めている。

 「ウイスキーより、原材料をそのまま使うワインが検査に引っかかるだろう。協会としての農薬のデータベースはまだなく、各業者に努力してもらうしかない」(日本洋酒輸入協会)ため、制度に関する講演会を開き、検査の実施や産地に公的な農薬の検査報告書を求めている。

 この影響で、民間農薬検査機関「キューサイ分析研究所」(福岡)には農薬検査の依頼が急増。同研究所は「ワインや日本酒で基準値を超える農薬が検出された例もあるが、顕著ではない。ウイスキーに関しては例はない」としている。1検体で450種類の農薬の検査ができるプラン(約23万円)の人気も上がっているという。

 検査費用は輸入業者に課せられ、田村氏は「価格に転嫁されることは間違いない。特に中小の業者に大きな影響がある」と憤る。厚生労働省は、経過措置として「導入までに瓶詰めした製品には適用しない」としているが、ウイスキーは樽に寝かせてナンボ。供給に影響が出る恐れはある。

 一方、サントリー(大阪)は「樽は直接森林から伐採した木からできているので、農薬は関係ない。ウイスキーは高温で蒸留するので農薬は残りにくく、自社で検査した結果、基準値を超える農薬は検出されていない。ワインも同様、心配することはありません」と太鼓判を押す。

 余裕でグラスを傾けながら、事態を見守れるといいのだが…。

ZAKZAK 2006/03/29

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_03/t2006032941.html