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2006年03月27日(月) 08時06分

<割りばし事故>4歳児死亡、両親「真実」求め6年余毎日新聞

 東京都杉並区で99年7月、高校教諭、杉野正雄さん(54)の三男隼三ちゃん(当時4歳)の、のどに割りばしが刺さり死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元杏林大付属病院の医師(37)に対する判決が28日、東京地裁で言い渡される。事故から6年8カ月。02年11月の初公判から計43回の公判の大半を傍聴した正雄さんと母文栄さん(49)は「隼三の死が無駄にならなかったと思える判決を聞きたい」と語る。
 隼三ちゃんは99年7月10日、盆踊り会場で転び、持っていた綿あめの割りばしをのどに刺した。救急車で三鷹市の杏林大医学部付属病院に運ばれ、担当医は塗り薬をつけただけでCTスキャンなどはせず自宅に帰した。翌日、隼三ちゃんは死亡した。
 02年8月に担当医は起訴されたが無罪を主張。両親にとって裁判は苦痛の連続だった。毎回の公判で事故を追体験させられ、悲しみが深くなる。傍聴席の最前列に座ると検事調書の解剖写真が見え、正雄さんは目をそむけようと眼鏡を外した。
 それでも両親は法廷に通い続けた。「隼三にはもう運動会も入学式も卒業式もなく、この法廷だけが主役の舞台。裁判の場で隼三のことが語られている限り、親として見守り続けたい」(文栄さん)からだ。
 証人出廷した文栄さんは、母親の自分が悪かったように「100%担当医の責任だと考えているのか」と問われたこともあった。「こんなにつらいなら、事実なんか分からなくてもいいから裁判をやめたい」という思いもよぎった。
 隼三ちゃんが生前、正雄さんと一緒に近くの公園で拾ったドングリは、庭のプランターで正雄さんの背たけほどの高さに成長した。「医師は潔く過ちを認め、患者や遺族を傷つけることが今後は起こらないでほしい」。2人はそう願う。【佐藤敬一】
(毎日新聞) - 3月27日8時6分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060327-00000014-mai-soci