2006年03月23日(木) 00時00分

『振り込め』４億４千万円詐欺 主犯格に懲役１５年 （東京新聞）

　警察官などを装った振り込め詐欺で計四億四千万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた東京都江戸川区本一色一、会社役員吉川智之被告（２７）の判決公判が二十三日、横浜地裁であり、松尾昭一裁判長は「大規模かつ高度に組織された計画的、常習的犯行で、被害は空前の規模に及んでいる」として求刑通り法定刑の上限の懲役十五年を言い渡した。

　判決理由で松尾裁判長は「『詐欺会社』と言ってもいい組織による犯行で、被害者らの精神的苦痛も多大だ」と犯行の悪質性を指摘。「（複数の詐欺罪を併合しても）懲役十五年以上の量刑はない」として、犯行が法定刑の“想定外”であることをにじませた。

　判決によると、吉川被告は共犯者十数人のリーダーとして四グループを組織し、振り込め詐欺の詳細なマニュアルを作成。二〇〇四年五月から十二月にかけ、警察官や弁護士を装い全国百五十九カ所に電話をかけ、家族が事故を起こしたなどと信じ込ませ、示談名目などで計約四億四千万円をだまし取った。

　詐取した金は、キャバクラ代や高級家具の購入代に充てていた。

　吉川被告のグループによる振り込め詐欺事件では、同地裁が会社役員浅見公博被告（２４）に懲役十二年、ほかの六被告にも懲役十一−八年の判決を言い渡している。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060323/eve_____sya_____004.shtml