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2006年03月19日(日) 00時00分

電磁波 家電は安全レベル 東京新聞

 IH(電磁誘導式)調理器などを使う家庭が増える中、家電製品から発生する電磁波が気になる人もいる。健康への影響は? さまざまな意見があり、日常生活の中で受ける程度の量なら、大丈夫ともいわれる。専門家に聞いた。 (井上 圭子)

 まず電磁波は、何からどの程度出ているのか。

 実は、どんな家電からも出ている(表参照)。電磁波の強さは発生源からの距離の二乗に反比例するので、「人体に密着するほど高く、ホットカーペットや電動歯ブラシの数値が大きいのはそのため。逆に離せるものは離せば低くなる」と電磁波コンサルタントの三浦正悦さんは話す。

 世界保健機関(WHO)関連の国際非電離放射線防護委員会が一九九八年に出したガイドライン(周波数一−一〇〇ヘルツでは一〇〇マイクロテスラを超えない、など)を参考に、独自の規制を設ける国もある。「この数値に照らすと十分に低い数値なので、大騒ぎする必要はないが、浴びる時間の長さも関係することを知っておいた方がよい」と三浦さん。

 健康への影響については、関連「あり」「なし」のどちらの報告ともあり、世界中で研究が続いている。国内初の大がかりな疫学研究結果をまとめた兜(かぶと)真徳・国立環境研究所首席研究官は、「複数の疫学調査で、高圧送電線の下など電磁波を浴び続ける環境に居住する子は、小児白血病の発病率が上がるとの共通した報告がある。細胞実験や動物実験ではまだ立証されていないが、リスク要因とはなりうる」と警鐘を鳴らす。ただ「使用が短時間で機器から離れることもできる電化製品は切り離して考える必要がある」と話す。

 「電磁波過敏症」という言葉も生まれているが、因果関係ははっきりしない。電磁波問題市民研究会の大久保貞利事務局長は「自分はそうだ、と訴える人が実際にいる。自立神経失調や皮膚の異常、神経衰弱など訴える症状は人によりさまざま」と指摘。北里研究所病院の坂部貢・臨床環境医学センター長は「精神的な不安も大きく作用する。気になるなら予防原則にのっとり、利便性とリスクとのバランスをみて、避けられるものは避けて」と話す。

 では、日常生活で電磁波をなるべく避けるには。三浦さんは「電磁波防護グッズの効果はほとんどない」として、次のようにアドバイスする。

 ▽IHは通常の使用位置で推奨鍋を使う。極端に小さい鍋は避けたり、鍋の位置が中心からずれないようにする。

 ▽携帯電話は、ハンドセットを使って耳から離すか、アンテナを伸ばして、通話時間を最小限に▽電気毛布やホットカーペットは温めてから切って寝る▽ドライヤーは三十センチ以上離して使う。

 利便性を享受しつつ、リスクは最小限に。いたずらに怖がったりパニックにならず、文明の利器と賢く付き合いたい。

   【家電製品から出る電磁波】

   2003年3月、家電製品協会調べ

 ※測定値の単位はマイクロテスラ。「−」は0.1以下

機器名    測定位置 距離 測定値 周波数

            (センチ)     (ヘルツ)

IH調理器    前面  30  2.67   50

         側面  30  4.02   50

電子レンジ    前面  30  3.97   50

電気毛布     上面  0  2.19   60

ホットカーペット 上面  0  10.4   60

電動歯ブラシ   前面  0  3.61  250

ヘアドライヤー  前面  30  0.17  120

IH炊飯器    前面  50  0.62  100

電気こたつ    前面  10  0.44   50

         上面  10  5.98   50

ブラウン管テレビ 正面  50  0.3   70

液晶テレビ    正面  50  −     50

プラズマテレビ  正面  50  −     50

(注)距離は各機器の通常使用状態で、動作は通常


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20060319/ftu_____kur_____000.shtml