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2006年03月17日(金) 23時55分

<パラリンピック>大回転の女子座位、大日方が金メダル毎日新聞

 【セストリエール(イタリア)飯山太郎】トリノ冬季パラリンピックは第8日の17日、当地などで4競技を実施。アルペンスキー大回転の女子座位で、大日方(おびなた)邦子(東京)が、金メダルに輝いた。日本の金は今大会2個目。
 大日方は滑降、スーパー大回転の銀に続き今大会3個目のメダルで、大日方にとって98年長野大会の滑降以来、8年ぶりの金メダル。4大会連続出場の大日方のメダルは通算8個(金2、銀3、銅3)となり、自身の日本最多記録を伸ばした。
 46歳の女子日本選手最年長の青木辰子(長野)も6位に入った。ノルディックスキーの距離女子リレーで日本は5位、男子は10位だった。
 ◇大日方「攻め」の気持ちで「金」
 一度は目を疑った。「思うようなラインも取れなかったし、ミスもした」。しかし、見直してみると電光掲示板の表示は1位。勝利を確信すると、右手を何度も挙げてスタンドの歓声に応えた。
 前日にはかぜで寝込んでいた。だが、1回目でトップタイムをたたき出したが、3位には滑降、スーパー大回転で優勝の米国選手がつけていた。「攻めるしかない」。守りの気持ちに入らなかったことが、滑降では転倒しながらも跳ね起きて優勝をさらわれたこの米国選手を振り切ることにつながった。
 出発前に日本で開かれた結団式。大会に向け、健闘を誓った後「真のバリアフリーな社会の実現のためにも頑張ります」と宣言した。自身のホームページでバリアフリー論も展開。競技を通じて障害者への関心を高めることに意欲的だ。
 大会中も組織委員会を通じて日本の障害者スポーツの現状を海外メディアに訴えた。自身も毎年遠征などに300〜400万円の自費負担を強いられているのが現状。障害者スポーツにスポンサーのつく欧米との違いを海外にも発信した。
 障害者スポーツの顔だけでなく、競技を通じて障害者への理解の向上にも挑む大日方。そのためには勝つしかなかった。目標は「表彰台の真ん中に2度以上立つこと」。最終戦の回転も、狙うは金メダルだ。【飯山太郎】
 ◇46歳の青木…「初めてのメダルほしい」
 アルペンスキー大回転の女子座位に出場した青木は日本女子最年長の46歳。88年インスブルック大会以来、4度目の出場となる。大けがを乗り越え、98年長野大会では銀メダルを獲得したベテランだ。
 長野県上田市出身で、中学、高校では器械体操の選手。18歳の時に右ひざを痛めて手術をし、右脚にまひが残った。90年に世界選手権を目指して練習を積んでいたところ、今度は転倒してせきついを損傷した。1年間の入院生活を強いられ、下半身の自由を失った。
 障害を抱えた体にさらに重い障害を与える形となったスキー。一度はやめようと思い、用具を捨てた。だが「スキーでけがした人はスキーに戻りたくなるんですね」。93年にチェアスキーを始め、座位で初出場の長野大会は滑降で2位となった。
 今大会中、第3日の滑降の練習で米国選手と衝突して脳震とうを起こすアクシデントに見舞われた。滑降は途中コースアウトに終わり「ゴールが遠いです」と悔しさをにじませた。2日後のスーパー大回転は5位とまずますだった。「初めてメダルがほしいと思った」と臨んだ今大会。この日の大回転に夢をかけて挑んだ。【飯山太郎】
(毎日新聞) - 3月17日23時55分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060317-00000150-mai-spo