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2006年03月16日(木) 19時31分

バンダイ、W-SIM利用の「キッズケータイ papipo!」6月発売impress Watch

写真:インプレス    バンダイは、ウィルコムのPHSモジュール「W-SIM」を利用した子供向け端末「キッズケータイ papipo!(ぱぴぽ)」を6月に発売する。3月18日から専用Webサイトで予約受付が開始されるほか、18日・19日に東京・台場で開催されるイベントでも先行販売分(3月下旬出荷予定)の予約を受け付ける。オープンプライスだが、Webサイトでは14,800円で販売されるとのことで、店頭価格も15,000円前後になる見込み。

■ 子供向け機能が充実

 「キッズケータイ papipo!」は、子供向けに仕上げられたWILLCOM SIM STYLE対応端末。メインターゲットとなるユーザー層は7〜12歳の小学生で、第1弾として登場するのは「ぱぴぽブルー」「たまごっちバージョン」「ちゃおバージョン」の3種類は、いずれも女子児童に向けた仕上がり。メニューアイコンや待受画像などは、各モデルごとに異なるキャラクターのデザインが採用されている。またディスプレイ側ボディの背面は、透明なプラスティックカバーで覆われた「着せ替えジャケット」となっており、イラストなどを挟み込むことでカスタマイズできる。パッケージには、3種類のシートが同梱される。

 ウィルコムで採用されている絵文字に加えて、papipo!専用の絵文字(プチ文字)もサポート。ひらがな50音にあわせて、1文字1文字に独特の絵文字が割り当てられている。また、数字を使ったゲーム「IQナンバー」、漢字を学べる「IQ漢検」、カメラを活用するゲーム「つなげてカラーピクチャー」、占いゲーム「フォーチュンロット占い」と4種類のゲームがプリセットされているほか、「papipo!」からのみアクセスできる専用サイト「こちらBスタジオ!」経由で、Javaアプリをダウンロードすることもできる。なお、JavaはMIDP 2.0に近い仕様とのことだが、アプリ経由でWebサイトへアクセスできるようにするAPIなどが含まれていない独自仕様となっている。

 W-SIM装着時には、PHS網経由でメールのやり取りや通話ができる。またWebブラウジングは、専用サイト「こちらBスタジオ!」のみに限定されており、URLを直接入力してアクセス、といった機能は用意されていない。またURL入りのメールが届いた場合も、URLそのものは閲覧できるが、そのURLからサイトへアクセスすることはできない。

 「こちらBスタジオ!」は、待受画面などのキャラクターのデザインを一括変更できるコンテンツや、着信メロディなどがポイント制で提供される。papipo!の契約時にメールを利用できる月額525円のオプションプラン「キッズスタジオ」をあわせて契約することで、ユーザーには毎月300ポイントが付与される。

■ 親に安心を与える機能も

 親など保護者にとっても安心できる機能としては、電話やメールのやり取りが事前登録されている人にのみ限定できる「安心モード」が用意されている。デフォルトではオフになっている機能だが、親のみがパスワードを知っておくことで、子供が見知らぬ人とのメールや通話をやり取りしないよう制限できる。

 また、PHS基地局との通信を活用した位置情報サービスとしては、papipo!からのメールに位置情報が自動的に添付される「安心ココダヨ!メール」、保護者からパスワードを件名にしたメールを送信すると、自動的にpapipo!の位置を返信してくれる「安心ドコカナ!メール」、電源がオフになると、あらかじめ登録しておいたメールアドレスに位置情報付メールが届けられる「安心電源オフ!メール」、バッテリー残量がわずかになった場合に、位置情報付メールが送られる「安心バッテリーチェック!メール」が用意されている。これらの“安心メール機能”は、「キッズスタジオ」を契約すれば利用できる。なお、メールアドレスは「 @bandai.jp 」というドメインになるという。

 このほか、緊急時に指定の電話番号へワンタッチで電話をかけられる「緊急ボタン」が配されている。バッテリーカバーおよびW-SIMカバーは特殊形状のネジで端末本体に留められている。ストラップホールは2カ所設けられ、両方の穴を1本のストラップで繋ぐことでカバン風にすることもできる。今後バンダイでは、papipo!向けのアイテムも企画していくという。

 1.5インチ、128×128ドットのカラー液晶を搭載し、30万画素のカメラも装備している。赤外線通信ポートも備わっているが、やり取りできるのはpapipo!同士のみで、他の携帯電話とは通信できない。大きさは52×101×29.8mmで、重さは約100g。バッテリーは、300mAのリチウムイオン充電池で、連続待受時間は約300時間、連続通話時間は約180分。内蔵メモリは7MB。外部メモリカードは利用できない。インターネットの通信販売のほか、全国のトイザらス、ウィルコムの販売代理店で取り扱われる予定。

 料金プランは、ウィルコム端末同士では定額での音声通話が利用できる月額2,900円の「ウィルコム定額プラン」のほか、通話先を3カ所に限定する月額1,029円の「通話相手先限定サービス」が推奨されている。パケット通信料は、「定額プラン」が1パケット0.01円、「通話相手先限定サービス」が1パケット0.105円。他の料金プランを選択することも可能で、その場合のパケット通信料は各プランの設定によって異なる。また、メール機能を使う場合は、月額525円の「キッズスタジオ」を契約する形になる。

■ 子供が欲しいと思える端末に

 両社では16日、都内で記者会見を開催。バンダイ代表取締役社長の上野和典氏、ウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏が出席し、端末の概要や、両社の意気込みが語られた。

 上野氏は「当社ではこれまで、携帯電話を模した玩具を提供しており、メルプチという製品は80万台ほど出荷している。こういった製品を提供する中で、『友達や両親とメールしたい』『自分専用のケータイが欲しい』という要望が数多く寄せられた。バンダイが作るのであれば、既存端末を改造するのではなく、最初から開発したいと思っていた。ただし、我々はキャラクターなどのソフト、遊びに関するノウハウは持っているが、ハードウェアの開発ノウハウはない。携帯電話のビジネスは当社だけでは荷が重いと考えていたところにW-SIMが登場した」と、papipo!開発に至った背景を説明した。

 また同氏は、「子供を脅かす事件が頻発しているが、両社のタッグによって子供が楽しめる、いつも側に置いておきたくなる端末が提供できるようになる。子供向けケータイのチャンスがやってきた。他キャリアが子供向け、という分野で先行しているのは知っているが、我々は親が子に与えるような、大人が作った携帯電話ではなく、子供が欲しいと思い、常に持っておきたい子供専用の楽しい携帯を作り上げた」をアピールした。

 一方、ウィルコムの八剱氏は「PHSは低電磁波で音質も良いと最近ではクオリティ面でも評価されている。加入者も順調に推移しており、3月16日時点で380万を突破している」と、まずは同社の現状を紹介。

 続いて「当社では、役員クラスを集めて合宿して戦略を練る“合宿会議”を実施しているが、ある時、バンダイさんが乱入に近い形で合宿会議に参加された。子供向け端末を作りたいと熱心にプレゼンされ、『ウィルコムが一緒にやると言わなければ帰れない』とまで言われ、その熱意に驚いた。そういった意味でも個人的に思い入れのある端末。papipo!は、バンダイの熱意を元に、我々が一生懸命サポートしたことで誕生した商品だ」と述べた。

 質疑応答では、男児向け商品の企画も検討していることや、2007年3月末までに20万台の出荷を目指すことが明らかにされた。また、6月という時期に発売されることについて上野氏「いい加減な数量では販売できないと判断し、数を揃えるために6月発売とした」と説明した。

 「キッズケータイ」という名称はバンダイとNTTドコモが商標出願していることが明らかとなっているが、バンダイ側では「出願中で、審査結果を待っている段階であるため、他社の動向についてはコメントできない。ただし、我々が使用することに問題はないと考えている」としている。

 会場には、2児の母でモデルとしても活躍する三浦りさ子さんも登場。母親として「papipo!の登場は嬉しい。子供の居場所を確認する機能などを使ってみたい」と語っていた。

■ URL

  ニュースリリース

  http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2006/03/16/index.html

  キッズケータイ papipo! 案内サイト

  http://www.kidskeitai.com/

■ 関連記事

・ バンダイ、ウィルコム網を使ったキッズケータイ発売か

(関口 聖, 太田 亮三)

2006/03/16 14:01
(impress Watch) - 3月16日19時31分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060316-00000025-imp-sci