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2006年03月05日(日) 02時46分

灰色手法を防止 市場ルール強化加速 重み増す監視機関産経新聞

 ライブドア事件などをきっかけに、市場ルール強化に向けた動きが加速している。ライブドア事件でその「匿名性」が問題となった投資事業組合の透明性向上、「抜け穴」が少なくなかった株式公開買い付け(TOB)規制の整備など、法の抜け穴は徐々に埋まりつつある。ただその一方で、「規制を強化してもすき間はできる」(金融庁幹部)という現実もあるだけに、市場の公平性維持・投資家保護に向けた証券取引等監視委員会や金融庁などの市場監視機関の役割は重みを増している。 
 金融庁を中心に市場ルール強化に向けた取り組みを加速している背景には、「違法ではない」ことを金科玉条に、法のグレーゾーンを突く勢力が台頭してきたことがある。とりわけ目立ったのがTOB規制の盲点を突いた行為だった。
 ライブドアは昨年二月に本来は企業の合併・買収(M&A)を目的としていない時間外取引を使ってニッポン放送株を大量取得。村上世彰氏率いる投資ファンド(通称・村上ファンド)やディスカウント大手のドン・キホーテも市場内と市場外の取引を組み合わせる形で、それぞれ阪神電鉄株、オリジン東秀株を買い占めた。「違法ではない」こうした行為が横行すれば、「会社支配を目的とした株式取得については買い付け条件を公表し株主に平等な機会を与える」というTOB規制の趣旨そのものが形骸(けいがい)化しかねない。このため、金融庁は昨年七月に時間外取引をTOB規制の対象に加えたのを皮切りに、市場外と市場内を組み合わせた「灰色手法」も同規制の対象とする方向で準備を進めている。
 ただ、法の抜け穴を埋めていっても、金融技術が日々進化する中で「完全に灰色手法を防ぐのは困難」(市場関係者)という現実がある。金融庁のある幹部は「過剰規制になると今度は市場が沈滞する」とも指摘。結局は問題が表面化する度に、法の抜け穴をふさいでいくという「イタチごっこ」を繰り返さざるを得ないというのが本音のようだ。
 大和総研の吉川満・資本市場調査本部長は「米国の証券取引委員会(SEC)は、市場の不正行為に対して厳しく対処している。日本は甘かったと言わざるを得ない」と指摘する。金融庁や証券取引所も市場の活性ばかりに目が向き、市場監視が後手後手に回っていた点は否めない。法の盲点を突くような「不正行為」にブレーキをかけるために、市場監視機関は「事後チェック」を厳格化するという姿勢を示すことが求められている。
(産経新聞) - 3月5日2時46分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060305-00000012-san-bus_all