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2006年02月23日(木) 14時32分

<重信判決>「私はテロリストではない」の主張、退ける毎日新聞

 数々のテロ事件で世界を震かんさせた日本赤軍の元リーダーに、日本の司法は懲役20年の実刑を突きつけた。殺人未遂罪などに問われた元最高幹部、重信房子被告(60)に対する23日の東京地裁判決。第一次大戦時の著名な女スパイになぞらえて「ブント(共産主義者同盟)のマタハリ」と呼ばれたかつての闘士も、オランダ・ハーグの仏大使館占拠事件から30年余を経て既に還暦。公判では「かつても今も、私はテロリストではない」と主張したが退けられた。【佐藤敬一】
 午前10時、東京地裁104号法廷。重信被告はベージュのジャケットに黒のズボン姿で入廷した。短い髪には白いものも目立つ。傍聴席を見回して長女メイさん(32)や知人を見つけると、いつものように笑顔を見せた。裁判長が主文を告げると、傍聴席に向かい、右手の拳を胸のあたりまで上げた。
 判決の言い渡しが終わると、傍聴席の支援者に向かって右手を軽く振り「ありがとうございます。頑張ります」と話した。
 閉廷後会見した弁護人によると、重信被告は判決理由の朗読中にメモを渡し「法に忠実な権威ある判決ではなく、現在の権力に迎合する不当な判決です」とあった。「判決は おわりにあらずはじまりと まつろわぬ意志ふつふつとわく」との歌も添えてあった。
 重信被告は、昨年10月の最終意見陳述で「パレスチナの解放の闘いに連帯したことを今も誇りにしていますが、当事者でない人々を戦闘に巻き込んで苦痛を与えてしまいました」と謝罪した。今月11日に支援者が開いた集会には「どんな結果であれ、2審も皆さんの連帯を力に闘います」とメッセージを寄せた。20日に届いた弁護士あての手紙には「春の修羅 未完の夢を携えて 異邦人の如(ごと)く裁きを待ちぬ」と詠んだ歌が書かれてあった。
 00年11月に潜伏先の大阪で逮捕された重信被告は01年4月以降、東京拘置所の独房で過ごす。メイさんによると、歯槽膿漏(のうろう)に悩まされているという。「運動不足で太ったなと思う」と言うメイさんは、週1回は接見し、近況や国際情勢について話を交わす。最近では、パレスチナ評議会選挙でのイスラム原理主義組織ハマスの勝利に触れ「民主的な選挙で選ばれたのだから、米国も認めざるを得ないだろう」と話したという。
 01年4月に日本国籍を取得してレバノンから「帰国」したメイさんは、63回の公判のほとんどを傍聴した。「法廷の母は毅然(きぜん)として、真実を一生懸命に伝えようとしていた」。昨年3月には重信被告を心配し続けた母親が他界。「せっかく帰国したのに触れ合えないまま祖母が亡くなり、お葬式にも出られなかったことを、母はすごく悲しんでいた」とメイさんは話した。
(毎日新聞) - 2月23日14時32分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060223-00000079-mai-soci