2006年02月14日(火) 00時00分

アース未公開株を違法販売　証取法違反容疑 名古屋の業者など捜索 （東京新聞）

　証券業登録を受けずに大塚製薬グループの医薬品メーカー「アース製薬」などの未公開株を販売したとして、愛知県警生活経済課と中村署は十四日、証券取引法違反（無登録営業）の疑いで、名古屋市中区栄二の「ワールドネットインベストメント」（森田敏男代表取締役）本店と、東京都北区と横浜市の支店、東京都中央区の関連会社など十カ所を家宅捜索した。

　アース製薬によると、昨年十一月に上場した際の公募価格は一株二千円だったが、二〇〇四年以降、ワールド社は一万数千円前後、別の無登録業者は最高約二万円で販売していたという。

　アース製薬に「未公開株を購入し、損害を受けた」などとする相談が投資家から約千三百件寄せられた。県警は全国の数十人から数百人がワールド社を通じて購入していたとみて実態を調べる。

　ワールド社はホームページで「未公開株で膨大なキャピタルゲインを得た株長者が多く誕生している」と宣伝していた。

　調べでは、ワールド社は証券業登録を受けずに電話やダイレクトメールで「必ずもうかる」などと個人投資家を勧誘。昨年九月から十一月の間、アース製薬の未公開株を一株約一万三千円で愛知県内の会社役員ら二人に販売した疑い。

　未公開株はアース製薬の株主が上場前に譲渡し、何らかのルートでワールド社などの無登録業者にわたったとみられ、県警は入手経路を調べる。

＜メモ＞アース製薬

　大塚製薬グループの中心企業の一つで、殺虫剤販売で業界トップクラス。「ごきぶりホイホイ」や「薬用モンダミン」など日用品や医薬品の製造販売で知られる。１８９２年に創業、１９６４年に現在のアース製薬に社名変更した。全国７カ所に支店があり、昨年１１月に東京証券取引所２部に株式上場した。

　未公開株　東京証券取引所や大阪証券取引所など証券取引法で規定された株式市場に上場されていない株式。上場株式と比べて企業内容の開示が十分でないケースが多いため、日本証券業協会は自主規制でグリーンシート銘柄と呼ばれる一部の株を除いて、証券会社が原則、勧誘、販売することを禁じており、通常は個人投資家が入手するのは難しい。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060214/eve_____sya_____007.shtml