2006年01月13日(金) 14時46分
個人情報、漏えい従業員にも罰則…法改正の自民原案(読売新聞)
自民党がまとめた個人情報保護法改正案の原案が13日、明らかになった。
不正な利益を得る目的で個人情報を漏らした従業員らを処罰する規定を追加するとともに、「表現、学問、信教および政治活動の自由を不当に妨げることのないように配慮しなければならない」との配慮規定を併記し、報道機関への情報提供などを過剰に規制しないようにしている。
原案は、個人情報漏えい事件に歯止めをかけるため、自民党の「情報漏えい罪検討プロジェクトチーム」(谷本龍哉座長)が作成した。公明党と調整したうえ、20日召集の通常国会に提出し、会期中の成立を目指す。
2005年4月に全面施行された個人情報保護法は、処罰の対象が企業の代表者らに限られ、情報を不正に漏えいした従業員個人に対する処罰規定がないなど、不備が指摘されている。
このため、自民党は同月、〈1〉5000人超の個人情報を扱う企業と委託先の従業員や元従業員が、業務で知り得た個人データの内容をみだりに他人に知らせたり、不当な目的に利用してはならない〈2〉従業員らが不正な利益を図る目的で第三者にデータを提供した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する——との条項を追加する案を策定した。
これに対し、公明党などが「報道機関への情報提供も罰せられることになれば、報道の自由を侵す」と懸念を示し、与野党の調整が難航した。その後、郵政民営化関連法案をめぐる攻防に焦点が移り、自民党案は国会提出に至らなかった。
今回の改正案原案では、個人を直接処罰する「情報漏えい罪」を導入する一方、公明党などの主張を反映し、法律適用の際の配慮規定を盛り込んだ。また、海外に持ち出して売買する行為を処罰するため、「国外で罪を犯した者にも適用する」と明記した。
(読売新聞) - 1月13日14時46分更新
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