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2006年01月12日(木) 17時21分

オウム真理教 松本智津夫被告の説法ビデオ、教団が保管毎日新聞

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松本智津夫被告    オウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫(麻原彰晃)被告(50)の説法約1100話分が撮影されたビデオテープの原版が、廃棄されないまま教団に保管されていることが、公安調査庁の立ち入り検査で確認された。教団に団体規制法が適用された00年1月末以降、未編集テープの大量保存が判明したのは初めて。公安審査委員会は月内に、同法適用の再延長(3年間)を決定する見通しだが、同庁はこうした事実などから「『麻原回帰』の動きが顕著」と主張している。

 ◇未編集の550本…「麻原回帰」裏付け

 同庁関係者によると、さいたま市内にある教団「東大宮施設」を昨年7月に立ち入り検査した際、オリジナルテープ約550本を確認し、信者も原版と認めた。「マスターテープ」などとタイトルが書かれ、松本被告が95年の地下鉄サリン事件前までに説法を行っている様子が収録されていた。95年以降の警視庁など捜査当局の捜索で、押収を逃れたとみられる。
 この中には「グルがやれと言ったことすべてをやることができる状態、例えば、それは殺人も含めてだ、これも功徳に変わるんだよ」などと、松本被告が丹沢セミナー(87年)で説いた場面もある。この説法で松本被告は「グルがそれを殺せと言う時は、相手はもう死ぬ時期に来ている」とも話していた。教団による一連の事件の「原点」とされる危険な教義「タントラ・ヴァジラヤーナ(秘密金剛乗)」に関する説法も収録されていた。
 一連の事件後、教団はホームページなどで「危険な教義は捨てた」と表明している。しかし、上祐史浩代表(43)が03年10月に「長期修行」を名目に表舞台から去って以降は「麻原回帰」の傾向が顕著になっているとされる。
 同庁によると、ある教団幹部は一昨年のセミナーで「心の祭壇にグルを飾ろう」と信者に説き、別の幹部は昨年のセミナーで「権力が震え上がるくらいの帰依を見せ付けてください」などと説いた。信者も説法の言い回しや息継ぎの仕方を松本被告をまねて修行しているという。今年初めのセミナーには上祐代表が復帰したが「麻原回帰」グループは独自にセミナーを開催しており、教団運営が分裂する可能性がうかがえるという。

 ▽教団広報部のコメント 信者に対する教化・販売用の素材と、裁判などで必要な資料用の素材とは、明確に区別され、厳重に保管されている。「タントラ・ヴァジラヤーナ」と記された説法テープがことごとく廃棄の対象というわけではなく、教団ではテープ一本一本をチェックし、その内容に即して取り扱いを決定している。
(毎日新聞) - 1月12日17時21分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060112-00000019-maip-soci