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2005年12月15日(木) 00時00分

姉歯氏国会証人喚問 『“灰色”が“黒”になった』 東京新聞

 国会の舞台で十四日、ついに口を開いた姉歯秀次元一級建築士。「グランドステージ池上だったと思う」。日本中の不安をかきたてている一連の耐震強度偽装の発端が、実は大田区のマンションであることが明らかに。さらにこの日、狛江市のマンションでも偽装が発覚し、都内で偽装が明らかになった建物は二十件以上に達している。マンションに暮らす都民の不安はいつ解消されるのか。

 衆院国土交通委員会の証人喚問で、姉歯氏が最初に偽装した物件と証言した大田区の「グランドステージ池上」(二十四戸)について、同区が同マンションの耐震強度を不確かな構造計算書に基づき「基準を満たしている」と判断していたことが十四日、分かった。区は「現場調査から点検し直す」と再調査する方針だが、区の一連の対応には遅れとずさんさが目立ち、批判が高まっている。

 区によると、区は十一月二十一日、姉歯氏が同マンションの構造計算を手掛けたことを住民の指摘で知った。区が建築確認を下した際の資料となった構造計算書などの正本は既に廃棄処分されていたため、区は設計者の区内の設計事務所に構造計算書の有無などを照会したが、「ない」という返答で、「これ以上調べようがない」と放置していた。都から指摘を受け、四日後に再度、同事務所に要求したところ、二十八日になって入手できたという。

 入手した構造計算書は「保有水平耐力など、肝心な部分が抜け落ちたもの」(区建築審査課)だったが、区は「内容を審査した結果、耐力は基準値を満たしている」などと二十九日付の文書で報道機関に説明していた。

 一方、ヒューザーは設計図を元に再計算した結果、「耐力は不十分だった」と住民に公表、区の判断と食い違う結果となった。このため区はヒューザーに根拠となる構造計算書や図面の提出を要請。同社から今月一日、当時のものとする構造計算書と設計図面が届いた。

 ところが、設計事務所にあった構造計算書とヒューザーの構造計算書は同一だが、どちらにも「副本」の印はなく、区は「副本の印がない以上、どの資料も信じるわけにいかない」と指摘、現場調査を行い、あらためて設計図面を作製し、強度を計算するとしている。

 こうした区の対応に住民は不信感を募らせている。

 「ある程度覚悟していたが、今日で“灰色”が“黒”になった」。同マンション理事の男性(56)はこの日の証言に落胆するとともに、建築確認と、一連の事件発覚後の構造計算書のチェックと、二度にわたり偽造を見逃した区を「無責任だ」と批判した。

 区が住民の要望で行う耐震診断で耐震強度が判明するのは来年二月になる見込み。男性は「このまま住めるのか、住めないのか。余計に不安が募った」と話した。

 近くに住む自営業男性(73)は「建て替えるのか壊すのかも、まだ分からず、近隣も心配だが、住んでいる人が一番気の毒だ」と厳しい表情で語った。 (小嶋麻友美、大原啓介)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20051215/lcl_____tko_____000.shtml